道に迷って、現在地を失い、下山はまったくわからない状態、そしてすぐに日没が迫ってきた・・・。
そんなときは、極端な悪天候でもないかぎり、慌てて歩き回らず、下山を翌日に延期したほうがいい。
ビバークの決断は早いほうがいい
暗いなかを、あてもなく、あちこち動き回っても体力を消耗するだけ。
真っ暗にならないうちに周囲を観祭し、ビバークポイントを決めよう。
ビバークに適した場所は、風当たりが少なく、開けて明るい平らな場所だ。
場所を確保したら、携帯電荷が通じるか試してみよう。
もしつながったら、家族や友人に、道に迷ってピパークするが一晩くらいなら大丈夫だ、ということを伝えておきたい。
ビバークの方法は、手持ちの装備によってずいぶん異なる
日帰りの低山であっても、ひとりにひとつツエルトは持っていたい。
手のひらサイズで200グラムを切る軽さのものもある。
これなら、ベット、ボトル1本より軽い。
単なる一枚の布にすぎないツエルトだが、あるかないかでビバークの快適さがまったく異なってくる。
ツエルトを単にかぶるだけでも、風やある程度の雨を防げる、が、もしストックを持っていれば、それをポールにして自立させ、安定した状態で張ることができるだろう。
ストックがなくても、スリング(細引き)と立ち木があれば、同様に自立させて空間を確保できます。
単独行ではなく、もし2人パーティで、ひとりにひとつツエルトがあれば、ひとつをテントとして張り、もうひとつをシュラフカバーのようにくるまって使うことができる。
こうすれば、雨風はもちろん、寒さからも守られた状態で眠ることができるだろう。
コンロとコッヘルを持っていれば、さらに快適だ。
温かいものを飲むだけで心が落ち着き、「明日はきっと下山できる」という気分になってくるに違いない。
寝るときには、着られるものは全部着てしまおう。
その上から雨具の上下を着よう。
雨具は雨が降ったときに役立つだけでなく、風を防ぎ、保温もしてくれる大切な装備だ。
そして、靴紐をゆるめて足を楽にし、足先が寒くならないように、中身を出したザックに足を入れるとよい。
緊急時には、周囲への延焼に充分に注意したうえで焚き火をするのもひとつの方法だ。
焚き火で暖をとるという意味のほかにも、周囲から夜間発見されやすい、という利点もある。
実際、焚き火の煙を救助隊、が見つけて助かった、という事例もある。
最近では焚き火をする機会は滅多にないだろうが、非常時に備えて練習しておくのもいいだろう。
もちろん、練習場所の選定には充分気をつけて。