失敗しない登山靴の選び方

登山靴を選びに初めて専門店に行ったときのことを覚えてますか?
普段履いているスニーカーと違って、重くてガッシリしていて、こんな靴で本当に歩けるのか?と思ったことでしょう。

今ではゴアテックスなどハイテク素材が使用されて、登山靴も軽量化が進みました。
ここでは一度初心に返って、登山靴の特長や選び方を考えてみましょう。

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登山靴は軽くてしっかりした構造のものを購入しよう

登山靴が軽くなったおかげで、昔のようにドタドタ歩くようなイメージはまったくない。それだけ登山靴は軽快になりました。

靴の重さと歩く速さによって、エネルギー消費量がどう変わるのだろうか?

毎分60~70メートルの速さで歩くと、エネルギー消費量は重い靴でも軽い靴でもそう変わりません。

ところが歩くスピードを上げると、重い靴のほうがより多くのエネルギーを消費し、逆にゆっくり歩くと軽い靴のほうがエネルギー消費量は多いのです。

だから一概に重い靴のほうが不利だとは言えません。
でも軽い登山靴のほうが、全体の行程をみれば楽に歩けます。
ただし、登山靴はオールマイティに使用する靴ではありません。ナイロン製の軽い登山靴は、ハイキングや1~2泊の登山が限界です。

標高が高い山や、何日もかけて長い距離を歩く山は、軽い登山靴では、柔らかすぎて足を悪くしてしまうかもしれません。
特に高い山の場合は、長く急な下り道が続くところが多いので、足を捻挫する危険性があります。
そういうところでは、少し重く感じても、足首までガッシリと保護してくれる登山靴を使用しましょう。

重さ以上に大事なのが靴の構造

前述のように、中級以上の高山では、ガッシリした造りの登山靴を選ばないと、思わぬケガをして満足に山を歩けなくなってしまう。

登山靴といっても種類はさまざま。そのなかから自分の目的に合った靴を選ぶこと。

無雪期のハイキングや中級山岳が主体の人は、トレッキングシューズといわれるものが歩きやすい。

トレッキングシューズはとくに種類が豊富で、軽量かつ耐久性に優れたものも多い。材質は、ナイロン、革、ナイロンと革のコンビの3タイプが主流であるが、ハイカットタイプなら北アルプ
ス級の山でも充分に使えます。
重い荷物を背負いながら歩く、長期間の縦走やテントを持参する山行には、堅牢な造りの革製の登山靴がいい。

ハイカットのトレッキングシューズを冬山に使うことも可能ですが、本格的な冬山登山をやるには、雪山仕様の革製登山靴やプラスチックブーツを揃える方がいい。

山行形態や登るシーズンが限られている人はともかく、オールラウンドな登山を志すならば、それぞれのタイプの靴を1足ずつそろえるのが理想的です。

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登山靴を購入するときの注意点

登山靴を購入するときは、納得するまで時間をかけて、自分の足にフィットしたものを選ぼう。

靴が合っていないと、マメができたり足が痛くなったりするほか、血行障害やヒザの故障の原因となって、山歩きそのものがイヤになってしまうことさえあるからです。

登山靴を購入するときのチェックポイントとしては、まず深さがあげられる。足の保護と歩くときの安定のため、足首部分の高さがくるぶしをカバーしているものがいい。

靴底にあたるソールのパターンや構造については、路面ショツクをやわらげ、確実にグリップする造りのものを選ぼう。ヒールとトウカップの構造が堅牢であるかどうかも大事なチェックポイント。

そのほか、縫製や接合はしっかりしているか、甲皮やソールの
硬さが目的とする山行形態に合っているか、防水性は、重量は、などについてもよくチェックする必要があります。

チェックする際には、実際に靴をはいてみるのがいちばんです。ただし、夕方になると一日の疲れで足がむくみ、朝よりもサイズが大きくなっていることが多い。この状態でサイズ合わせをするのが常識です。

靴をはくときには、登山用ソックスをはいてから足を入れてみよう。ソックスは、試着用のものが何足か店内に用意されているので、遠慮なく使わせてもらえばいい。

登山靴のサイズの目安は、カカトの部分に指1本分の余裕があれば、サイズはほぼOKだ。次に靴ひもをしっかりと締めて、はき心地を確かめる。このとき、必ず両足ともはいてみること。

そして平坦な所だけでなく、斜面や階段を歩いてみて、カカトやつま先など当たる部分がないかをよくチェヅクしよう。

他の靴とはき比べたいときは、同時に片足ずつ違う靴をはいて歩いてみるといい。

このようにして入念に選べば、必ず自分の足に合う靴が見つかるはず。どうしても合う靴がない人には、オーダーメイドをおすすめします。

歩くことで成り立つ登山にしてみれば、靴は命とでもいうべき大切な道具。パテずに快適に山を歩き続けるためにも、登山靴は慎重に選びたいものです。

登山靴の寿命

登山中のトラブルで嫌なのが、登山靴のソールがベロリとはがれてしまうことだ。
靴紐や針金などで応急処置はできますが、歩きにくいことこの上ない。

昔の登山靴は、本体とソールが糸でしっかり縫製されているため、ソールがはがれてしまうことはほとんど無い。
しかし、最近の登山靴は、接着剤でとめてあるだけなので、この接着剤が経年劣化して、あるときソールがべろりとはがれてしまうのです。

こうなれば、もうその登山靴は寿命です。
だいたい3年が目安で、登山の頻度は関係ありません。

靴の手入れをするときに、ソールが剥がれそうな部分は無いか、よく確認しよう。

それからソールがすり減ってきたら、専門店に持っていってソールの張り替えを依頼しよう。
登山靴を扱っている店なら、対応してくれるはずです。
価格は8000円~12000円ぐらいが目安になりますが、新しい登山靴を購入して、また一から自分の足に馴染ませることを思うと、安いものです。

ソールの張り替えも2回が限度です。
命を預ける大切な道具ですから、手入れをして大事に使いましょう。

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