山岳遭難事故で、転落や滑落についで多いのが道迷い。
さすがに地図を持たずに山に入る人はいないが、スマートフォンのGPSと地図アプリに頼って歩く人はいます。
それでも、道迷いは起きます。
地図はあるのに、道に迷う・・・なぜ、道に迷ってしまうのでしょうか。
道に迷う原因はイメトレ不足にあり!
道に迷う誘因のひとつに、事前の勉強不足があると思います。
山が非日常の世界にあると認識できていない人も多い。
地図と磁石を持たず、ガイドブックのコピー片手に登山する人が増えています。
ガイドブックは非常に狭い範囲しか掲載していないので、万が一身体の具合が悪くなったり、天候が急変したときなど、エスケープルートが省かれたりして不便です。
歩くコースより、広い範囲まで掲載した地図も持参しよう。
道迷いを防ぐ方法は、第一に予習をすること。
地図を広げガイドブックを読みながら、地図上に予定のコースを追いかけてみよう。これが机上登山といいます。
登山用の地図は、国土地理院発行の2万5千分の1地形図が基本だが、メジャーなエリアの一般コースなら市販のガイドマップで充分間に合う。昭文社の「山と高原地図」は見やすくて便利。
「道迷い」の原因
1. 準備・装備不足
・地図、コンパス、ナビ、下見、ネット情報
※持参図で机上登山を実施する
※登山口から分岐までの所要時間をすべて把握する
※山頂から下山口ルートの選定は特に注意
(複数の下山ルートは要注意)
※事前に複数の下山ルート、頂上からの下山方向を把握しておく
※ガイドブックにない下山ルートもあるので注意のこと
※現地の最新情報を把握(登山道の崩壊など)
インターネット、山小屋、市町村の観光課、警察署などで情報収集する。
2. 天候の激変
・暴風雨、暴風雪、濃霧等(視界ゼロ、踏み跡なし)
※事前に天気予報をラジオ等で確認しよう。
※雲の状態でもある程度予知できるように知識を得ておく。
3. 状況判断ミス
・おしゃべりに夢中になって、標識見落とし、分岐の通り過ぎ
・「こっちでいいはずだ」の思い込み
※立ち止まる余裕を持とう。
※持参地図とコンパスやナビで、常に自分の位置を確認しながら行動すること。
※引き返す判断を早く実施、早めに来た道を戻ること。
4. 道迷いを誘う登山道の特徴
・標識が倒れており分岐を見過ごす
・標識が古くて文字が読めない
・分岐点・標識が草や落ち葉で隠れ、見過ごす
・踏み跡が不明瞭・多数→ケモノ道や作業道(林業、測量道等)へ
・日没で暗くなり、道が不明
・赤テープを信じ込み目的地とは違うルートへ
5. 無理な計画、無計画→焦り→判断ミス
6.道迷いからの焦りから、心理的な不安が増幅する
30分、1時間経っても開けた道に出ない。
辺りが暗くなることへの不安。
上記のことから、状態から一刻も早く逃げ出したいと思い、無理な下山を強行し、急斜面や崖から沢や滝へ転落する可能性が高まる。
もし、道に迷ったら・・・
◎迷ったら、沢へ下りずに、尾根を登ること。
整備された登山道に出る確率が高く、危険が少なく、発見されやすい。
(ただし、天候など状況により異なる)
登山道へ出たら、地図で現在位置を確認すること。
◎焦った行動を控え、体力を温存する
時間によっては、無理をせずビバーク(野宿)を実行する。
その際は可能な限りの防寒を実施する。
※レスキューシートを体に巻く
◎天候が急変した場合は、焦らずに回復を待つ