山登りは、楽しみながら登ればバテません

なんだかワクワクしない・・・もし山登りに行く前日に気分が乗らなかったら、いっそのこと延期した方がいい。
別に意地悪で言っているわけではありません。
無理したり、付き合いで嫌々行くような山行では、間違いなく心身ともにバテてしまうからです。
これで山歩きが嫌いになってしまっては、元も子もありません。

山でバテないための秘訣は、自分がほんとうに楽しめる山、好奇心のもてる山へ行けばいいのです。歩く楽しさや、自然の中での好奇心が疲れを忘れさせてくれるので、山でバテることがなくなってくるのです。

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山でバテない予防薬は、山へ登る意味、テーマや目標をもって山へ向かうこと

テーマと言えば、深田久弥の『日本百名山』を目標にするのもいいでしょう。
それ以外にも「北アルプスのピークをすべて踏む」「一等三角点のある山あるいは3000メートル以上の山だけを登る」「県内の山を踏破する」など、自分なりのオリジナルなテーマや目標はいくらでも考えられるはず。

登山のあらゆる技術を習得している人なら、ひとつの山の尾根、沢、壁を問わず、すべてのルートからの頂上をめざすということもできるはず。また、「今年の干支にちなんだ山をすべて登る」「ひとつの山に四季を通じて訪れる」など一年ごとに目標を変えてみるのもいい。

またその都度山行のテーマを変えて、「ウスユキソウを見に早池峰山へ」「御来迎を拝みに富士山へ」というようにしてもいいのです。

山に付随する趣味を持つことが登山の楽しみを倍加させてくれる

山登りが趣味なのはわかりますが、登ることにプラスαできる趣味を山行に持ち込んでみませんか?

初心者なら「自然から学ぶこと」に興味をもってみることからはじめるといいでしょう。

堅苦しく考えずに、山に付随した趣味ならなんだっていいと思います。
高山植物、山岳写真、温泉、きのこ、山菜、雲、星、山岳宗教、文学、史跡、地質、バードウォッチングなど、山が提供してくれるテーマは無限にあります。

興味を持てるテーマに普段から親しむことで、山行が楽しみになってくるでしょう。

どれかひとつでも自分が興味をもてるものを選んで、普段か親しむことだ。
山岳写真に興味をもったら、街で開催される山岳写真展をのぞいてみる。
植物ならば、家のまわりや道端に咲いている花を注意して見る。
テーマに関する本をひもといて知識を深めておいたり、インターネットで情報検索しておくといい。

このように、山に対して積極的にとり組んでいれば、好奇心を失うことなくバテずに楽しく山を歩き続けられるはず。それがまた、新しい山の楽しさの発見につながっていくのです。

単独行とパーティ山行、どちらがバテる?

最近は、低山といわず、北アルプスの高峰でも単独行者をたくさん見かけるようになりました。

「プライベートな時間ぐらい、なにごとにもわずらわされず自分の好きなように楽しみたい」とする現代人の風潮が、山の世界にも及んできたことの現われでしょう。

○単独行のいちばんのメリット

一人だからなんの束縛も受けずに自由に行動できること。休みたいときに休めばいいし、途中で気が変わってコースを変更してもだれも文句は言わない。

単独行なら気に入った場所があれば、何時間でものんびりできます。
食料だって自分の好物を好きなだけ持っていけばいい。

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○単独行の落とし穴

このように単独行は精神的なバテの要因となるストレスが少ないわけで、それだけ単独行者はバテにくいのだろうか?

しかしそれは経験者だけに言えること。
初心者や単独行の経験が浅いハイカーが、ひとりで山を歩いてみると、パーティで歩いていたときには感じられなかったいくつもの不安が生じてくるはず。いくら単独行が自由気ままであるといっても、この不安は容易には打ち消せないのです。

不安が蓄積するとストレスになって、すぐにバテてしまう

山を歩いていて、天候が急変したり道に迷ったりすれば、不安が大きなプレッシャーとなって襲いかかってきます。
やがて精神的にグッタリと、バテてしまうはずです。

単独行者はバテにくいんというのは、思いがけない局面にも慌てず冷静に対処できる人についていえることなのです。

複数人で山を登るパーティ登山はバテないのか?

次に、パーティを組んでの山行とバテの関係を考えてみよう。
パーティを組めば、山に対する不安や山の危険など、すべてを仲間と共有できます。そこから安心感が生まれ、また、イザというときには仲間に頼ることも可能だ。ひとりが背負うザックの重量だって軽くなるし、ワイワイにぎやかに登ることで、つらさも発散されます。

なんでも一人で処理しなければならない単独行と比べ、肉体的・精神的な負担ははるかに軽いはず。それがパーティを組む最大のメリットなのだが、バテの要因を内在しています。

○歩くぺース配分の問題

メンバー全員のぺースがほぼ均衡していればいいが、ひとりだけ遅い人、あるいはずば抜けて速い人がいると悲惨です。遅い人が、無理してみんなのペースに合わせようとすると、早々にバテてしまうことになるから。たとえみんなか彼のぺースに合わせてくれたとしても、「みんなに迷惑をかけている」という負い目が精神的なプレッシャーになります。
また、ひとりだけペースの速い人は、常に自分のぺースを抑えなければならず、イライラが募ってきます。これまた精神衛生上、非常によくない。

○やっかいなのが人間関係

友人とパーティを組んで行動をともにすると、ふだん気がつかなかった人間性が、不思議と見えてくるもの。それがいい面ばかりだとは限らない。
なぜか相手のアラばかりが目立って、ちょっとしたことにカチンときたり腹を立てたりしてしまう。こうなると、楽しい山行なんて夢のまた夢。険悪な雰囲気のなか、うんざりした気分で山を歩かなければならない。

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気心知れた仲間とパーティを組めば山行が楽しい

山行を台無しにしたくないならば、相性のよくない人とは絶対にパーティを組むべきではない。

しかし、山登りを始めたばかりの人にとっては、気心知れた仲間さがしが切実な問題となってきます。

初心者は、山岳会に入ったり登山講習会に参加したりして、なるべく多くの人と山へ行ってみるといいでしょう。

最近は、登山用品店やメーカー、地方自治体などが主催するイベント山行も数多く、いろいろな人と知り合いになれます。そのなかから、気の合う仲間をさがせばいい。

「単独行とパーティ登山では、どちらがバテやすいか」との問いに対しては、どちらも一長一短があるとしか言えません。
その人の性格や登山スタイルの問題で、自分の望む方向を志せば、おのずと精神的なバテの要因も減少するはずです。

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