急に危険箇所が現れても「三点確保」を知っていればほとんどは無理なく通過できる

ヒマラヤやアルプスでも無い限りは、日本の山々はたいてい穏やかな姿をしています。
とくに1000m未満の山は、お椀をひっくり返したようなカタチが多いので、そこに危険な箇所が潜んでいることなど、誰も想像できないだろう。
もし、登山中に岩場が現れて、そこを越えなければ前に進めない場合は、どうしますか?

岩場

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ガイドブックには記載されていない危険箇所も多々ある

日本の山々はたおやかで、緑に覆われて優しげだから、その山に「危険な罠」を察知する人は少ない。

ガイドブックに危険と記入されていても、さほど危なげのないコースもあるので初心者は、こんなもんかと思ってしまう。

しかし地図に危険と記入されていないのに、危険箇所の出てくる山も少なからずあります。

晴れていて道が乾いていればどうってことないのに、雨で濡れていると滑って危険というコースもあります。

数ある危険箇所の中で、明らかに危険な箇所は岩場です。

岩場2

日本の山はたおやかだから、2本の足を交互に上げていけば頂きに立てる山がほとんどなので、緊張感もなく歩いていたとき思いもかけず岩場が出てくると、非常に緊張します。

岩場を通過しなくては先に進まないのだから、岩場に踏み込まなくてはならない。

緊張して体を硬くしていると、体がスムースに動いてくれないから、岩場通過に際して危険が増すばかりです。

三点確保で、ほとんどの岩場は無理なく通過できる

危険な岩場を安心安全に通過するためには、岩登りの基本的な技術「三点確保(三点支持ともいう)」を習得しておく必要があります。

岩場3

例えば普通の山道を歩いているときは2本の足を交互に前に出しています。
片足が移動中は残る片足1本で立っています。体を一点で確保してい状態です。

コースが急になって一点確保では不安を感じたら、丈夫な木の根を掴む。片足と片手で不安を払拭する、これは二点確保です。

さらにコースが急になるのは岩場。
慣れていない人は、怖いから両手両足で岩場にしがみついてしまいます。四点確保の状態になると絶対安全だが、そのままでは身動きがとれない、そこで日が暮れます。

しがし、岩場についている両手両足のうち、一点だけはなすと三点確保になります。これは、岩登りの基本的な技術だ。

仮に四点確保中の片手を、岩場から離したとしよう。
もう一方の手と両足の三点で体は確保されています。
離した手で、少し上の手がかりを掴む。
岩を掴ん方でいる両手と、片足の三点で体を確保し、離した片足を上の足場に置く。

この繰り返しが三点確保による岩登りの基本的な動作です。

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一般コースに出てくる岩場はそれほど難し本くないので、腕力に頼らず足でしっかり立って登っていくのが大事。

あくまで目安だが、登靴底の3分の1か4分の1が岩場に乗っていれぱ、体重は十分に支えられます。

手はバランス保持に使い、クサリも手がかりのひとつと考えること。岩場にクサリが出てくると、待ってましたとばかり両手でクサリをむんずとつかみ、グイグイ腕力まかせに登っていく人がいるが、これは危険。腕力が尽きたらそれまでです。

穏やかで優しげな日本の山だが、思いがけずに出くわす岩場も多い。だが出てくる岩場のほとんどは、三点確保のシステムに忠実に行動すれば、無理なく安心安全に通過できるはずです。

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