地形の名所ガイドの決定版!地形を調べる、地形の謎を知る、ジオスケープ・ジャパン 地形写真家と巡る絶景ガイドが発売中

自然豊かな場所に限らず旅を続けていると摩訶不思議な地形や岩盤を見て、面白い形だな、きれいな色だな、とか自然の造形美に感嘆することがよくあります。
また各地で比較的大きな地震が起きるようになり、その怖さとともに地球や日本列島の成り立ちに人々が興味を持ち出したこともあり、ブラタモリのような地形をわかりやすく紹介するバラエティ番組や教養番組が放送され人気です。
全国各地を旅する地形写真家の竹下氏の集大成ともいえる地形ガイドブックが出版されました。

自然探訪者よ、新たな観点を持って楽しめ!ジオスケープ・ジャパン 地形写真家と巡る絶景ガイド

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写真家の観点で捉えた自然の造形美

竹下氏はプロの写真家です。このガイドブックの特異な点はそこにあります。
通常の地形ガイドブックは図鑑か教科書のような味気ない平面的な写真と図解、文章で綴られているので何かを「調べる」ことに終始してしまう。そしてとても難しそうで、想像していたものと違うという違和感が拭えない。地形を学ぶ学者や学生ならそれで満足なんだろうけど、旅と自然を探訪することが好きな私には馴染めないものです。

私が望むのは
・掲載された写真を見て「すごい!きれい!訪ねたい!触れたい!」と驚きがある
・「へぇ~なるほど~」とわかりやすい解説がある
・作者が実踏し五感で撮影した現地の生々しい誌面にワクワクしたい

上記3点がとても重要なのです。
今回出版された「ジオスケープ・ジャパン 地形写真家と巡る絶景ガイド」には、その3つを満しているので「あぁ~やっと欲しい本に出会えた」という感激でいっぱいです。

紹介されたスポットは、竹下氏が探訪した中では100分の1ぐらいにしかすぎないと思います。日本を出て世界各地の地形も訪ねられているので、1000分の1かもしれません。
これをきっかけに第2第3とシリーズ化してほしいです。

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地球環境の変化が激しい現代だから訪ねてみたい

地球温暖化や地震、自然火災、津波など環境の変化が目まぐるしく、私達の暮らしに大きく影響しています。
このまま何もせずに暮らしていけば、大変なことになることはみんな感じているはず。我々の世代はやり過ごすことが出来ても、次の世代やその次の世代には取り返しのつかない大変動が起きているかもしれない。
竹下氏によれば地形を見て、触り、知ることで過去の環境の変化を感じ、地球自身がその変動に対してどう対処してきたのかという歴史から学ぶことができるといいます。
私達も環境改善に向けて小さなことから何をすればいいかは知っています。しかし「なぜそれを今する必要があるのか?」ということを普通に部屋の中にいては地球規模で起きていることを感じることはできません。
私はこのガイドブックを通じて、直に自身の目で見て、手で触れて、その変化の一端を感じていきたいと思います。

内容紹介

巨大な大陸プレートの端に乗る火山列島・日本。
その大地は太古から隆起と沈降、堆積と浸食を繰り返してきたことで、全国各地の自然のなかに不思議な地形や奇岩といった、さまざまな絶景を見い出すことができます。

本書は、北海道から沖縄まで、地形写真家である著者が、国内で見られるダイナミックで美しい「大地のかたち」の写真を紹介しながら、その成り立ちをわかりやすく解説した、地形を見るためのガイドブックです。

多くの人々が訪れる観光名所はもちろん、何時間も歩いて登らなければならない山岳地や、地元の人にしか知られてない密かな場所など、全国51箇所の絶景スポットを著者の目線を通してその地形の魅力と楽しみ方を伝えます。

掲載地(一部)
「北海道誕生の証人」アポイ岳(北海道)
「ノジュールが転がる海岸」鵜ノ崎海岸(秋田県)
「津波石が語ること」ハイペ海岸の津波石(岩手県)
「豪雪地帯の岩壁」谷川岳一ノ倉沢(群馬県)
「深海からやってきた岩石チャート」虎岩(栃木県)
「押しつぶされてできた岩」長瀞の変成岩(埼玉県)
「甌穴を彫る玉石」かんのん浜のポットホール(静岡県)
「富士山の裏の顔」富士山宝永火口(静岡県)
「氷河が削った気高き峰々」槍・穂高連峰(長野県)
「石英脈が描く縞模様」横川の蛇石(長野県)
「風化でできたオブジェ群」燕岳(長野県)
「日本海最初の堆積岩」平根崎(新潟県)
「消えた立山火山の遺産」立山(富山県)
「溶岩の収縮でできた割れ目」東尋坊(福井県)
「神様になった滝」那智の滝(和歌山県)
「石灰岩を溶かしてできた地形」秋吉台(山口県)
「礫層に守られて」阿波の土柱(徳島県)
「桁外れな阿蘇のスケール」阿蘇山(熊本県)
「差別浸食の造形」鬼の洗濯板(宮崎県)
「活火山の島」桜島(鹿児島県)
「南の島のキノコ岩」古宇利島のハートロック(沖縄県)

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■著者紹介
竹下 光士(たけした・みつし)
1965年、京都市生まれ。1989年、武蔵野美術大学油絵学科卒業。2016年、活動タイトルを「GEOSCAPE」として地形撮影を開始。
著書に、写真集『ZEUS』『天の刻』(共に青菁社)、『京都撮影四季の旅』(三栄書房)、『長時間露出撮影のすべて』『朝景・夕景撮影のすべて』(共に日本写真企画)がある。
現在、京都市に在住し、ニコンカレッジ講師・クラブツーリズム講師などを務める。

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