単独行の山登りを考える時、避けて通れないのが遭難という二文字。
仮に、単独行の登山者が、山で重傷を負って動けなくなったとします。
グループ登山の場合だったら仲間のだれかが助けを呼びに行ったり、そばで励ましてくれたり、あるいは背負って治療できるところまで下ろしてくれることも可能でしょう。
しかし、単独行の場合は山小屋の近くや人通りの多い場所ならまだしも、助けてくれる人が見当たらないところでは、なすすべもなく、ひたすら助けがくるのを待つしかありません。
携帯電話の電波が入るところならまだしも、最悪の事態になる可能性は非常に大きい。
これが単独行の最大の欠点であり、各登山口で警察署ならびに遭難対策本部が「単独行はやめましょう」と呼びかける本意といえるだろう。
単独行を始めるにあたって、遭難しようと思って山へ入る人はまずいない。だが、単独行の場合、最悪の事態に至れば死亡する可能性があることをつねに頭に入れておくべきです。
遭難して死亡するのは単独行がトップ
単独行の遭難は遭難者全体の三割に満たない程度ですが、死者・行方不明者が全体の半数近くを占めています。
いがに単独行で亡くなる人が多いかという証です。
このことは警察庁が発表した、「単独行は全体に比べると、遭難件数は少ないが、死者・行方不明者は一番多い」と通じています。
事故の原因は転・滑落がいちばん多い
遭難といっても具体的にはどんな原脚で起こるのだろうか。
長野県警によれば、単独行の場合、検証してわかる遭難の原因としては、転・滑落が多く、つぎに疲労・凍死、病気、徒渉失敗、雪崩と続く。
もっとも単独行の場合は目撃者もなく検証できない場合が多く、原因不明が多い。
転・滑落の理由として考えられるのは、次のような原因が考えられるという。
①疲労してフラフラになり前をよく見ずに歩いたため足を滑らせたかあるいは浮石を踏んだため。
②ハイペースになりすぎて、ゆっくり歩くとなんでもないところで、つまずいたため。
③自分の技術を過信して、知らずに無理をしたため。
慎重派が多い単独行では、遭難に対してどのような気持ちでいるのだろうか
一般ルートしか歩かないという人や、遭難しそうなルートは敬遠するというのが大半みたいですが、自己責任で自由に歩けるというのも単独行の醍醐味。
そのために、遭難しないために人一倍緊張して、一歩一歩真剣に歩きます。
だからはじめて歩ききった道は、満足感が高くまたやりたくなります。