山登りの前日は、楽しみなものです。
しかし楽しみと同時に、一人歩きの山登りへの不安が湧き上がってきます。
登山口へ向かうバスは時刻表どおりきちんと走っているのだろうか、小屋は通年と書いてあるが平日でも営業しているのだろうか、雪はどれくらい積もっているのだろうか・・・どれもこれも不安な材料ばかりです。
グループでの山行なら、ハイカー各自が手分けしてそれぞれのデータを集めることができるが、ひとり歩きの山登りとなるとなかなかそうはいかない。
なんとかなるさ、という感じで山へ向かいがちだが、この場合、うまくいくこともあれば、こつぴどい目にあうこともあるので注意が必要。
●登山のガイドブックと登山地図をよく読む
事前調査でもっとも基本となるのが、登山ガイドブックと登山地図、さらにインターネットで検索して、山の概略を知ることです。
大切なポイントは、なるべく版や発行日が新しいものを見ること。
初心者ハイカーはとくに山に出かける前に、登山地図を見るのではなく読む習慣をつけるべきです。
わかりやすい方法としては登山地図の上にトレーシングペーパーをのせ、登山道をなぞり、重要なことを書きこむ方法です。
書きこむ必要があるのは、登山コースタイム、大体の休憩場所、山の危険箇所などですが、忘れてならないのが山道のエスケープルートです。
山の尾根筋を歩いていて、天候の悪化や体調不良で前へ進めそうになくなった時、山道のエスケープルートが頭に入っていれば役立つのは言うまでもない。
ただし、エスケープルートと言っても避難できさえすればよいというのではなく、やはり、自分の帰路に近いほうをつねに頭に入れ必要な時に選び出すようにしたいものです。
●山のことは地元の市町村役場や観光課に問い合わせをする
よく困惑するのが登山口へ向かうバスの時間です。
前もって時間を聞くか、インターネットで調べておくといい。
バスの発車時間を知ることは逆算して自宅を出る時間もおおよそ見当がつくことになるからです。
山の状態をたずねるには地元の観光協会、市町村の観光課、各警察署の外勤課がよい。
電話で詳しく教えてくれるので情報源として大切にしたい。
また、最近の山小屋には電話があるところも多いので、宿泊するしないにかかわらず山の状態を聞くことができます。
ただし朝・昼・夕食時のいそがしい時間帯は避けるようにしたい。
山小屋に電話がない所でも、麓の連絡所に無線で様子が伝えられているので、たずねるとよいでしょう。