ひとり歩きは、一緒に話をする相談相手もなく、孤独なものです。
ただ黙々と目の前の山道を歩いているだけでは、目的を見失いがちになります。
しかし、なんでもいいので大きな目標を持っていれば、ふたたび勇気がわいて山へ戻りたくなるものです。
山歩きの楽しみのひとつは、高山植物に会えること
登山道脇や岩陰にひっそりと咲いているコマクサやシナノキンバイ、クルマユリ、トリカブトなどを見ると、その可憐さにそれまでの疲れも忘れてしまいます。
それがお花畑と呼ばれる高山植物の群落となると、その場にトリコになってしまう人が多い。
南アルプスの悪沢岳と荒川小屋の中間にあるミヤマキンポウゲ、シナノキンバイが咲き乱れるお花畑を歩いているハイカーは、「「冬場、雪の下でジッとしていたのが、夏になっていっせいに咲く生命力に魅せられる」と語っています。
最近のデジタルカメラやカメラ機能付きのスマートフォンなら、接写に強い構造になっているので便利です。
「お花畑があると満足してピークを踏まないで帰る」という登山者もいるぐらい、その魅力にはまってしまうと各地の高山植物を求めて、山を登るようになるという。
一度は訪れてみたい、山のお花畑の名所
①利尻山
リシリヒナゲシ、エゾコザクラ、ボタンキンバイなど。
②大雪山
エゾコザクラ、ホソバウルップソウ、チングルマなど。
③八甲出山
ヒナザクラ、ワタスゲ、ハッコウダシオガマなど。
④早池峰山
ハヤチネウスユキソウ、ナンブトラノオ、カトウハコベなど。
⑤月山
チングルマ、ハクサンフウロ、ウサギギクなど。
⑥尾瀬
ミズバショウ、ニッコウキスゲ、ワタスゲなど。
⑦八ヶ岳
ツクモグサ、キバナシャクナゲ、オヤマノェンドウなど。
⑧白馬岳
ウルップソウ、シロウマタンポポ、タカネシオガマなど。
⑨北岳
キタダケソウ、イワウメ、シコタンソウなど。
⑩白山
ミヤマクロユリ、ハクサンフウロ、ウサギギクなど。
このようなお花畑を求めて歩けば、よりいっそう楽しい山旅になるに違いない。
また、お花畑と意味あいは違うかもしれないが、シャクナゲ、ツッジ、アヤメなどが咲く季節になるとその花を追いかける人もいます。
これらは梅雨時に咲くので一般的ではないかもしれないが、「梅雨の晴れ間になると赤やオレンジ、ムラサキに輝く」というから一見の価値はあります。
東京周辺では、奥秩父の両神山のヤシオツツジ、十文字峠のシャクナゲ、大菩薩連嶺のレンゲツツジ、甘利川のレンゲツツジ、櫛形山のアヤメなどが有名。
そして花を愛でるハイカーのマナーとして、山に咲く植物には手を触れないようにしたい。
観賞だけにとどめておきましょう。