ハイキングしている時に、バテたなぁと口にする時、この「バテ」は「疲れ」を意味しています。
山登りというのは、脚の筋肉を伸ばしたり縮めたりしながら、長時間にわたって自分の体とザックを前へ前へと運ぶ作業なのだから、心身ともに疲れて当然です。
平地を歩くのと違って、同じ距離を歩くのでも疲れ方が全く違います。
だから、その日の自分の体調や体力、状況判断によって休憩するタイミングや歩くペースを早い段階で考えながら、歩き続ける必要があります。
初心者ほど自分の体力に自信過剰になっている
山登りは非常に疲れます。
しかし、その疲労には1種の爽快感があります。
マラソンランナーが走っている最中に、ランナーズハイと言う陶酔状態に入ることがありますが、ハイキングでも同じです。
この疲労は会社の仕事とかで疲労するのとは質が違います。とても爽快な疲れです。
山を歩いているとき、いつもその爽快感が続くかといえばそうではありません。
なかなか目的としている場所にたどり着かないと.精神的にも辛くなり疲労困憊し、苦しくて苦しくてしょうがない、足が前に出にくい、もう一歩も歩きたくないというような状態になってしまうことがあります。
この状態は一般的に言うバテてしまった状態です。
山登りをしたことがある人なら、バテてしまった経験は1回や2回はあるはずです。
初心者はもちろん、ハイキングの経験がある人でも、 1年以上山に登っていないとバテに対する不安はかなり大きくなります。山に行く前に、ハイキングのガイドブックなので誰でもコースを調べると思いますが「急な登り」「長い登り道が続く」などと言う表記を目にしてしまうと、バテてしまうのではないかと不安になったりします。
空腹を我慢して歩いていると、必ずなってしまうシャリバテ
ハイキングで山を歩いていると、気持ちが良くなって、ついつい長時間休まず歩き続けてしまうことがあります。
そろそろ休憩をして、食事を取りたいと思っていても歩く勢がついているときは止まらずに歩き続けてしまいます。
そんなときによくなってしまうのがシャリバテです。
北アルプスの縦走を友人とともに計画したO氏は、北アルプスの大自然を楽しみながら、友人と2人で快調に距離を伸ばしていました。
黒部五郎岳まであと少しのところで、O氏はなんとなく体がだるいことに気がついたそうです。
しかし、それほど気にするほどのことはない。まだまだ歩き続けられる自信はあると、黒部五郎岳の山頂に立ったのは11時ちょっと過ぎ。
だいぶお腹も空いていたそうですが、黒部五郎小舎までガマンすることにして先を急いがれました。
依然として体はだるさはおさまらず、歩いていても体に力が入らないような感じで頭もボーッとして、ちょっとした石にすぐつまずくぐらい注意力が散漫になっているのがわかったそうです。
ところが、これらの症状は、黒部五郎小舎で昼食を食べたらピタッとなくなりました。
その後の急登も、難なくクリア。「あとで考えると、あれがシャリバテだったんですね」と、O氏は語っていました。
食事は活動のエネルギー源です。
どんなに短い距離であっても、平地を歩くのとは違い、山を登るというのは自分が想像しているよりはるかに体力を消耗します。
だからこそ、きちんと食事を摂ることが、山でパテないための最低条件なのです。
歩く勢いがついてとまりたくない時でも、ポケットにブドウ糖や飴などが入っていれば、空腹感は収まります。
それでも油断は禁物です。
バテそうだなと思ったときは早めに歩くスピードを遅くしたり、たとえ3分間でも立ち止まって休憩を取る方が絶対に良いと思います。
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