鎖場や岩場での転落は、山登り事故としては多い。
特に落ちると死につながりやすいポイントです。
鎖場や岩場での転落は、核心部分を通過した後が危険
鎖場や岩場では、登りよりも下りりで事故が多いのが特徴。
また、もっとも緊張する箇所を過ぎたあとに転落するケースも多い。
下りでの事故が多い理由は、足もとが見えにくいなど、そもそも鎖場や岩場は下りのほうが技術的に難しいことがあげられる。
危険箇所の通過後の事故は、緊張のほぐれから注意が散漫になることが原因。
山から落ちないために
理想としては、クライミングの基本を教えてくれるジムや講習会に参加しておくといい。
少しでも知識と、経験をつんでおくと岩場を余裕をもって通過することができるから。
<無雪期に岩や鎖を通過するときは、必ず手袋を外すこと>
とくに下りでは、手袋をしたままだと手が滑りやすい。
下りでひとたび手が滑ると簡単に滑落してしまう。
<鎖やロープに体重をあずけないこと>
鎖やロープのなかには設置されてから何十年もたつていたり、使用頻度が高〈、擦りきれそうになっていたりするものがある。
しっかりと足で立つようにし、鎖やロープはバランスの補助として使うことが原則。
<ストックは手に持たず、ザックに装着する>
面倒だからとストックのループを手首に通したままだと、岩のすきまなどにストックがひっかかり、転落の原因になることがある。
<危険箇所通過後には小休止をとる>
適度にリフレッシュしてから歩き始めると、その後の行程にも集中力をもって歩くことができる。パーティのリーダーの役割も重要だ。
危険箇所であることを伝えるだけでなく、鎖やロープの安全を確認したり、危険箇所前後での休憩を指示するなどの適切なフォローで危険を回避できる
雪渓や雪山の滑落防止は、雪上を歩くテクニックを習得すること
雪の上は滑りやすく、また、ひとたび転倒・滑落すると、滑落を止めるのがたいへんに難しい。
数百メートルの滑落になることもめずらしくなく、岩場、鎖場と同様、滑落が死につながる危険性、がきわめて高い場所。
<滑落の原因>
雪山であれば、片足のアイゼンをもう片方の足にひっかけての転倒・滑落が多い。
夏の雪渓の場合は滑りやすい雪上でバランスを崩してい転倒・滑落することがおもな原因となっている。
雪上テクニックを習得する
雪山を歩く場合は、アイゼンワークなどの雪上歩行のテクニックを習得することが前提。
疲労したり、注意力の不足から足にアイゼンをひっかけたり急斜面で足を滑らすことがないよう、適度な休憩で集中力と体力を維持しよう。
夏の雪渓であっても、キックステップなどの基本的な雪上歩行テクニックが必要。
トレースがなかったり、氷になっている雪渓を歩くときは、6本爪以上のアイゼンを使うことができれば心強い。
そのため、夏山であっても雪が残る山を歩くなら、雪上歩行やアイゼン歩行のテクニックを習得しておくほうが安全。
最新のテクニックを習得する
アイゼンワーク、ピックルワークだけでなく、滑落停止のための確保技術など、登山における基本テクニックは進化しています。
この基本テクニックは、何百人もの登山者の経験や実験の集大成である。
また、新しい用具に合わせたテクニックもあります。
そのため、つねにこうした情報を入手し実践することも、山を登るための大切なリスクマネジメントのひとつです。