竹内洋岳さんの哲学”プロ登山家”に学ぶ、「恐怖心との対峙法」

東洋経済に竹内洋岳さんのインタビュー記事が掲載されいたので、そのポイントのみを抜粋しました。
日本人で初めて8000メートル峰14座の登頂に成功した竹内洋岳さん。
プロ登山家・・・今まで「プロ登山家」と言った人はいなかったのですが、どういう経緯でそう名乗るようになったのでしょう?
なぜ「死」の可能性を意識しながらも、果敢に頂上を目指せるのでしょうか。
プロ登山家の考える「想像力の大切さ」とは?

竹内洋岳
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2006年8000メートル峰14座の登頂と、「プロ登山家」として活動することを宣言

14座を登ろうと決めた瞬間に、それが重いものであることに気づきました。
結果的に「登ろうと思ったけど登れませんでした。でも楽しかったから良かった」とかで終わらせてはいけない。
途中で辞めないための宣言として「プロ登山家」としてやっていくことを表明することにしました。

プロってどういうこと?

私は「プロとは?」と聞かれたとき、「覚悟」と答えています。プロ登山家と名乗り、生きていく。
死なないで14座を登りきる覚悟がある、という意味でそう名乗りました。

登山は「想像の世界」の意味すること

登る前から登山の想像合戦をしている。
より多く想像できた人が成功に近づきます。
山へ入った後も常に想像します。

死ぬ想像ができれば、死なない想像もできる。
むしろ、死ぬ想像もできるかどうかを試してみる。

右から落ちる想像、左から落ちる想像、落っこちたときのリカバリー。
落っこちた想像をしていれば、落ちたときにそこからのリカバリーすることができる。
「もっとこう登りたい」と思う気持ちがあるから、研ぎ澄まされます。

竹内洋岳

恐怖心に対して・・・

恐怖心を克服しようとしたり打ち消したりするのではなく、利用する。
人間が恐怖を覚えるのは死なないために必要なことなので、その恐怖心を利用して危険を見抜くのです。

五感とか第六感とかとも言いますが、私は感覚を5つに分ける必要もないと思っています。
自分の肉体がどうする、精神がどうする、ではなくて、自分がどうする、ですから。

竹内洋岳のライフワークとは

私は「経験の積み重ね」という言葉がしっくりきません。
14座は全て違う山で、前回の経験が何の役にも立たない。
経験というのは積み重ねではなくて、「並べるもの」という感覚があります。

登りたい山は無数にあり、可能性はたくさんあります。
最終ゴールを決めるのではなく、「どこまで続けていけるのか」を考えたいですね。

すでに40歳を超えていますから、スポーツとして考えたなら引退する年齢です。
体力の衰えに合わせて登山の方法を変える必要がある。
また、登れなくなったときに、どうやって登山の世界に関わることができるかというのも一つの課題だと思っています。

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