グループ登山中、仲間が事故に遭って締まった時に行う対策

「わぁぁぁ~」さっきまで一緒に歩いていた仲間の一人の姿が叫び声とともに視界から消えた。
この時、慌てずに落ち着いて状況を把握しなければならない。

その事故がどういった事態なのかを冷静に判断する。転滑落の場合は、現場に行けるかどうかを考えよう。

登山者

◎仲間が負傷しているときでも、その程度が軽く自力歩行が可能ならば、荷物を分担して(あるいは残置しててもっとも安全なルートから下山する。

◎自力での下山が不可能な場合
遭難事故として対応するしかない。現場でできる最低限の応急処置をして、救助の方策を立てる。

◎携帯電話
持っていれば、まずは電話が通じるかどうかを試してみる。
無事、携帯が通じ、救助要請がすんでも、すぐに救助隊が来るとはかぎらない。

◎自分たちのいる場所の周囲を観察
落石などの心配がなく、できれば横になれるような安定した場所を探そう。
風雨や直射日光が避けられ、しかもヘリコプターから発見されやすい場所が理想である。より安全な場所へ移動しておきたい。

◎携帯電話が通じず、付近に人がいない場合
事故者への応急処置を終えたあと、自ら山小屋などに述絡に行く。

事故者がしばらくの間、その場に待機できるように水や食料などを残し、自分は最低限の装備で山小屋へ急行する。
その際、現場が確実にわかるようにマーキング(ケルンなどで目印をつくる)をしておくこと。

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遭難時の救助要請の方法

携帯電話が通じる場合は、管轄の警察に連絡しよう。

携帯電話からの通報であることを伝え、通話が途切れないよう立ち止まって話す。

救助要請のときは、事故者の氏名、連絡先、ケガの度合い、事故発生場所、自分の氏名と連絡先、事前に登山届を提出しているかどうかなどを伝える。

携帯電話での救助要請ができなくても、現場にほかの登山者がいれば、要請を依頼することができる。

その際、大切なのは、口伝えだけではなく、メモに書いて依頼することだ。口頭では、聞き間違いや伝達ミスの危険性、がある。とりわけ、事故現場の特定については確実に知らせる努力をしよう。

客観的にわかるような目印や、現場から見える特徴的なもの、何時にどこを通過したのかなど、複数のポイントを記載しておく。

そのほか、連絡メモに書く事項として、事故者の氏名、連絡先、容態、救助要請者の氏名と連絡先、手持ちの食料(水)、行なった応急処置、ヘリコプターの出動が必要かどうかなどがある。

登山届の控えを持っているなら、その裏面に記入するとよい。

また、連絡してくれる人は、あくまでも善意の協力者だ。

余裕があれば協力者の氏名、連絡先なども教えてもらい、お礼状などを出すとよい。

ヘリコプター救助について

多くの避難救助がへリコプターで行なわれているが、その出動は天候に大きく左右される。

原則的には有視界飛行のみが可能であり、万能ではない。

もし、自分のいる場所が、ガスの中に入ってしまった場合は、じっと待つしかない。

ヘリコプターが近づいてきたら、まずは発見してもらうよう努力する。

銀マットや白色系のタオルなどを頭上で大きく振り回すと、上空からも目立つので発見されやすい。

現場、が広く平らな場所であれば、ヘリコプターは着陸できるが、そうでない場合、ホイストと呼ばれるワイヤーでの吊り上げが行なわれる。

ヘリコプター飛来の際には、周辺の小石や枝、装備などがホパリングの風で飛ぶのであらかじめ片づけておくこと。

出動、が可能だった場合、短時間に行なわれるヘリコプター救助だが、逆に安易な救助要請が増え、登山者批判も起きている。

まずは自力救助の方法を考えてからにしよう。

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