熱射病の予防につながる水分補給の方法と水筒の選び方

1000m未満のハイキングでは、尾根筋や山頂付近でも真夏になると、結構暑い。
ただでさえ登山で体温が上昇している中で、直射日光を浴び続けると熱射病になる危険性があります。

その危険性を避けるためにも、水分補給はとても大切です。
しかし飲みたいだけ水を飲んでいるだけでは、身体が必要とする水分量を補給できないという考えもあり、適切な知識を持って水分を補給して、熱射病対策をしたいものです。

水分補給
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みたいだけ水を飲んでいるだけでは、体が必要とする水分量を補給できない

鹿屋体育大学の山本正嘉教授による実験によると・・・

①まったく水を飲まない。
②自由に水を飲む。
③1時間毎に発汗量を計り、それと同量の水と塩を飲む。

①ではすぐにパテる。②はそれなりに歩けるが、一番調子がいいのは③です。

飲む水の量は自由に飲める②の方が③よりも多そうだが、実際は③で飲む量の3分の2くらいだという。

だから飲みたいだけ水を飲んでいるだけでは、登山中に体が必要とする水分量を補給できないということ。
水は意識して飲むようにしなければいけない。

『登山の運動生理学百科』によれば、脱水量は体重1㎏当たり1時間・約5g。
体重60kgの人が6時間の軽登山で必要とする水の量は、約1.8リットルという計算になるから、冬で1リットル、春秋で1.5リットル、夏で2リットルの水を飲むようにするといい。

さらに電解質のバランスを保つため、水だけでなく、塩をなめたり、スポーツドリンクを飲んだりすることも必要です。

行動中、足がつった経験はありませんか?
よく足がつってしまう人は、水分の補給量が少ないと考えられます。

山登り

水筒の選び方。登山に適した水筒とは?

①ペットボトル

最近のペットボトルの材質は、リサイクルを意識されているせいか、薄くてペラペラのものが主流で、山登りで使うには破裂しそうで怖い。

それが気にならないならペットボトルは軽く、下山時にコンビニや駅で捨てることも出来るメリットはあります。
勿論、思いっきり倒れこんだら破裂する可能性は否定できない。

②ソフトボトル(丸められる袋状の水筒)

ソフトボトルと言えば「プラティパス」。
点滴袋のような丈夫で柔らかい素材の水筒です。
水を入れるとなんだか心許ない印象がありますが、結構丈夫で簡単には穴が開くことはありません。
水を抜けばたいへんコンパクトになるので、日帰り登山や予備の水筒として使うには便利です。

最近では100円ショップでも販売されていますが、こちらは袋の材質もプラティパスに比べると弱くて、登山には向かないと思います。

プラパティス水筒

③ポリタンク

1L~1.5L程度のポリタンクが一般的で、一番使いやすいと思います。
頑丈で踏んでも壊れないので、ひとつ持っていれば、長く使える水筒です。

④魔法瓶(ステンレスボトル)

冬の山登りで欲しくなるのは、あたたかいお茶。
普通はポリタンクの水筒と500mlの魔法瓶を持っていくのが便利。

アウトドア用に作られたものは、手袋をしたままでも問題なく開閉が出来るし、中栓もねじ込み式なので操作しやすい。

容量も1L以上のものがありますが、結構重いので登山に持参するには不向きかもしれません。

⑤アルミの水筒

有名なのはSIGGというメーカーの物。
軽くて頑丈なので、長く使えます。
でも最近はポリカーボネート製の水筒に押されて、アルミ製は少数派になってしまいました。

水筒の持ち方、使い方

最近では好きなときに水を飲みたいからと、水筒やペットポトルをザックの背負いバンドにぶら下げている人が目立つが、足場の悪い所で顔を上に向けて水を飲んでいる人を見かけるとハラハラします。

ボトルがブラブラしていてはバランスも崩し易いので、事故の危険も高くなるからです。

行動中に飲まなくても、次の休憩で水分補給すれば問題ないだろう。
短い間隔で水分補給しながら行動したい人には、ハイドレーションシステムが便利です。
これは水タンクをザックの中に収め、出ているチューブを吸えば水が出てくる仕組みになっていて、歩きながらでも無理なく水が飲めます。

水分補給ハイドロレーション

水筒のメンテナンス

山から帰ったら、水筒の余った水は捨てて、乾燥させておくのがベスト。
水道水なら多少水が残っていても、腐ることはないのですが、注意しなければならないのは、沢や山の水場で汲んだ水。

自然の水は防腐処理がされていないので、そのまま放置しておくと水筒内でカビや微生物が発生して、洗っても使えなくなります。
透明の水筒なら確認できますが、そうで無い場合は特に注意してください。

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