山で遭難しないために!もし山で雷に遭ってしまったらどうする?

過去にキャンプをしていたボーイスカウトのテントに雷が落ち、5人が重軽傷を負号という事故が起こったことがあります。

1978(昭和53)年5月2日には、北アルプスの西岳山頂付近に張ったテントに落雷があり、3人が傷害を負っている。

雷のときにテントの中にいると、なんとなく守られているような気がして安心してしまうものです。

しかしそれは錯覚にすぎません。

テントのシートは落雷を阻止することはできないうえに、テントのポールは落雷を受けやすく、これまでにも、多くのテントへの落雷事故が起こっているのです。

ポールに落ちた雷は側撃を起こし、テントの中にいる人に致命的な傷害を負わせてしまいます。

特に木の下などにテントを張っている場合は、樹木に落ちた雷の側撃を受けることもあり、実際にそういう例も報告されています。

悪天候の登山
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休憩所、あずまやに居ても落雷で感電死する可能性がある

1992年、丹沢の大山では木造のあずまやの屋根に落雷があり、雨宿りをしていたハイカー1人が死亡、10人が重軽傷を負いました。
それまでは、休憩所やあずまやのような屋根のある建造物は比鞍的安全だというイメージがありましたが、この事故によってそれは完全にくつがえされたのです。

避雷針などの避雷設備のないあずまやや小屋は、テント同様落雷を阻止することはできないのです。

ただし、大山の事故では、あずまやの中で立っていた人が死亡したり重傷を放つたりしていいましたが、軽傷の人はすべて腰を下ろしていたということです。

背の高いザック、ストック、傘などは、ここに雷を落としてくれというもの

登山者というのは、見方によっては地面から人体が突き出ているようなものなので、雷か発生したときに無策のままでいると、落雷を受けてしまう危険性が高い。

そのうえ、さらに人体から物体が高く突き出ていたりすると、その物体がなんであっても、落雷を受ける確率はいっそう高くなるのです。

たとえば、テント山行などでは荷物がかなり多くなり、ザックを背負ったときにザックの上部が頭よりも上に出てしまうことがしばしばあります。

また、テントのボールやストック、三脚や一脚、ピッケルなどをザックにつけたときも、これらの先端が頭より上に突き出てしまう。

このような状態は、避雷針を突き出して歩いているようなものなので、危険きわまりない。北アルプスの白馬岳では、背負子に落雷して重傷を負ったという事例もあります。

また、当たり前のことですがカミナりのときに、傘をさしたりストックを頭上高く振り上げたりするのも自殺行為となります。

山の雷

遠雷だと安心してはいけない

頭上にとどろきわたる雷鳴ほど恐ろしいものはないが、かすかに雷鳴が聞こえる程度の遠雷であれば、さほど怖いものではない。

しかし、それは大きな誤りで、ときに雷は10キロ以上の距離を一瞬にして走る。

遠くで「ゴロッ」と聞こえたら、次の雷が自分の頭上に落ちてくる可能性は充分にあるのです。

それは、雷が通りすぎたあとも同じ。

激しい雷が通りすぎていって、頭上に青空が広がっても、決して油断してはならない。

落雷点は、雷雲の移動とともに規則的に移動するのではない。
雷雲の位置に関係なく、雷はあちこち不規則に落ちるものなのです。

「もう大丈夫」だと思って行動を再開したとたんに落雷を受けるという事故も実際に起きています。

かすかにでも雷鳴が聞こえるうちは、まだまだ危険だと思うべきで、雷鳴が間こえなくなってからも申分ほどは安全な場所で待機していたほうがいい。

※参考/山と渓谷

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