河川敷のウォーキングコースでは、歩行者と自転車の接触事故が問題視されているが、場所が山の中になると、ハイカーとランナーの接触事故を懸念する兆候が出てきている。
そうです。最近流行のトレイルランニング(通称トレラン)です。
昔からトレーニングを兼ねて山を走る人はいました。
しかし最近は、世界各地の冒険レース等で山道を走る競技が話題になり、それがトレイルランニングという独立したスポーツとして流行してきたようなのです。
日本各地のハイキングコースにも、トレイルランナーをよく見かけるようになりました。
一般ハイカーや登山者との接触事故の危険性など問題点も指摘され、中止に追い込まれるトレイルランニングの大会も出ており、環境省はトレイルランについての指針策定に向けた検討を始めているそうです。
ハイカーとトレイルランナーとの共存を考えたルールづくりが今からでも必要ではないか?
のんびりと山道を歩くことは、心身ともにリラックスできてとても気持ちが良いものです。
また、頂上へ立つと下界では得られない満足感と達成感があります。
気持よく歩いていると、突然前から人影が現れた時、最初は同じハイカーかと思っていたら、近づいてくるスピードが早く、すぐにトレイルランナーであることがわかります。
道幅の広いところなら気にならないランナーも、ハイキングコースには道幅が2メートルに満たないところや、1メートルぐらいのところもたくさんあります。
そんな山道で前方からランナーが走ってきたら、普通の狭い路上でトラックが正面から走ってくるような感じがして、とても怖い。
多くのハイカーは、すぐに道を譲るように避けると思いますが、これがもし10人ぐらいのグループで走ってこられたらどうだろう?
そして、もし後ろからランナーの足音が近づいてきて、走ってくるのがわかったら、きっとハイカーはいつも以上に緊張して、気持ちが急かされて滑落や、転倒の危険性があります。
走るペースを乱されたくないと思う気持ちは、ハイカーよりも強いのがランナーだと思うので、協力はしてあげたいけど、山の中では下界のルールを適応するのは無理がある。
今は大きな事故になることは起きていませんが、このままブームが続くなら、いずれ近い将来、ハイカーとランナーの衝突事故が起きるに違いない。
たぶん、その事実を持って、ルール作りがされるのだろう。
しかし本当は、事故が起きる前にハイカーとランナーのお互いの妥協点を見出して、民間団体などがルール作りをするべきなのだ。
ハイカーが山を独占する気持ちは無いと思うし、ランナーも新しいフィールドを気持ちよく走りたいだろう。
またトレイルランの大会も、国内のあちこちで増えているという現実もあります。
下界のマラソン大会の場合は、安全確保のため参加者以外の通行を規制されているが、山中を走るトレイルラン大会では、コース中にハイキング客とランナーが混在し、「いつ接触事故が起きてもおかしくない状態が続いていた」(トレイルラン主催団体)という。