秋田県内で、ダニの一種、ツツガムシに刺されることで発病する「つつが虫病」で、2013年5月下旬、1人が死亡していたことが分かりました。
秋田県でツツガムシ病で死亡したのは15年ぶりで、高熱などの症状が出た場合は、早めに医療機関を受診するよう呼びかけています。
ツツガムシ病は、古くは山形県・秋田県・新潟県などの地域で夏季に河川敷(信濃川・阿賀野川・最上川等)で感染する風土病で、死に至る病として恐れられていました。
今では全国の野山や河川敷に生息しています。
アウトドアシーズンの春~秋にかけて、野山や河川敷で遊んだり、ハイキングをする場合は、注意する必要があります。
ただし、目で見える虫ではないので、服装や帰宅後のケアが大切になります。
●ツツガムシ病の予防法
ツツガムシは身体に取り付いても、すぐに吸着するのではなく、適当な場所を探し回り、さらに、病原体が人の体内に入るまでには、10時間近い時間がかかります。
①野山、河川敷等では、できるだけ素肌を出さない
②野山、河川敷等から帰宅した時は早めに着替える
③着替えた衣類は室内に持ち込まない、または、すぐ洗濯する(着替えた衣類からはい出たツツガムシが、家族等に取り付く恐れもあります)
④野山、河川敷等から帰宅した時には、速やかに入浴し、念入りに身体を洗い流す(吸着される前に洗い流してしまうことが決め手です)
そして、5~14日後に39度以上高熱が出た時は、風邪だと過信せずに、速やかに病院で診てもらいましょう。その時には発病前の生活、例えば、山菜採りに出かけたことや、田畑で農作業をしたこと、真夏に河川敷に行ったことなどを、医者に必ずお話ししてください。
●ツツガムシとは?
ツツガムシは、非常に小さなダニの一種。
日本には120種類以上のツツガムシが生息しています。
この中で病原体を持ち、しかも人に吸着するような性質を持っているのは、主に次の3種類です。
①アカツツガムシ
昔から有名で真夏に多い。
②フトゲツツガムシ
全国的に春と秋に発生しているつつが虫病の原因となる。
③タテツツガムシ
主に房総半島、東海、関西及び九州で、秋に発生しているつつが虫病の原因となる。
この3種類のツツガムシも、そのほとんどは病原体を持っていません。
しかしごく一部のツツガムシだけが、生まれながらに病原体を持っています。
そのごく一部が生息する、ごく狭い範囲だけが危険地域ですが、そこをつきとめることは、ほとんど出来ません。