バックパッキングやキャンプ時の調理器具は、軽量コンパクトが必須条件

旅のエネルギーを補給するための必要不可欠な要素が食事です。
そして食事は一日を締めくくる楽しみのひとつです。
食事を作るためには、食料はもちろん調理具、燃料などが必要になります。
バックパッキングでは、台所も背中に納めなくてはならない。

 

yuho2013-07-21

 

●焚き火に変わる携帯コンロ「ストーブ」

442-726Jコースや期間に合わせて燃料を選ぶストーブは、使用する燃料によって、おおまかな性能が決まってしまう。

市販されているものは、ガス用、ガソリン用があり、そのほか、ノズルを交換するだけで、ガソリン、軽油、灯油、ガスまで使えてしまうものもあります。

ガス用か、ガソリン用か、どちらを選べばいいかと初心者は迷いがちです。

ガソリン用の長所は、火力が気温に影響されにくいこと、バイクや自動車用ガソリンが使えるモデルならば燃料の入手が容易なこと、燃料1g当たりの発熱量が多く燃料がかさばらないことが挙げられます。

欠点は、点火の際に、ボンビング(加圧)やプレヒート(予熱)などコツのいる「儀式」が必要なこと、軽量コンパクトな器具が少ないこと、加圧や予熱が不足すると不完全燃焼してすすが出ることなどが挙げられる。

とはいっても、そんなに神経質になる必要もありません。
昔のモノはノズルが詰まったりすることもありましたが、現在のものは専用ガソリンでなくても、バイクのガソリンでも使えます。

ガス用には、登山用の専用ボンベを使用するものと、家庭用卓上コンロのボンベが使用できるものがあります。
どちらも取扱いが簡単で、使用にコツがいらないから、初心者でもすぐに使いこなせます。

換気のよい所で使用している限り不完全燃焼することはなく、すすが出る心配もありません。

共通する欠点は、燃料1g当たりの発熱量が少なく(ガソリンの約半分)かさばること、火力が気温に影響されやすいこと、空き缶の後始末が必要なことなどが挙げられます。
ただ、この欠点を改良し、すぐに湯が沸いたり、ガスの補充ができるアダプターなどが販売されています。

 

●ボンベの種類によって、長所や欠点が微妙に違う

p115登山用ボンベを使用するモデルは、軽量コンパクトなものが多い。
だから数日に渡る山岳トレッキングには、最適です。

火力が低下しやすい寒冷時には、低温専用のボンベとパワーブースターなどの補助器具を使えば、ある程度カバーすることができます。

反面、ボンベの入手がほぼ専門店に限られるし、燃料も家庭用に比べると少し高い。

スーパーやコンビニでも手に入る家庭用カセットボンベを使用するモデルは、簡単にボンベが入手できるので、ガソリンストーブと変わらない機動力を発揮できます。

ディスカウント・スーパーなどを利用すれば、登山用のボンベよりずっと安い値段で燃料が入手できるのも大きな魅力です。

専門メーカーからは低温用のボンベも発売されているが、パワーブースターなどの補助装置はないので、マイナス10度を下回る環境では信頼性に欠けます。

結論としては、手軽さを求めるならガス。
低温下で使用する機会が多い場合や、マイナス10度以下の厳寒地でも使うなら、ガソリンか登山用ボンベのモデル+パワーブースター。

長期の放浪で燃料の入手性を重視したいなら、ガソリンかカセットボンベ使用のガスストーブを選べば間違いない。

 

●忘れてはいけないこと

◎ガスは飛行機に搭載できないので、飛行機で移動する場合は、現地でガスを購入できる店を事前に調べておくといい。

◎ガスは初心者でも簡単に使える分、間違った使い方をしてガス爆発など事故も多発しています。
焚き火など火の側で使わないことや、ボンベを温めたりしないこと、密室で使わないなど、常識的なルールを守って使用してください。

◎ガスの場合は、メーカーによって互換性のあるものと、そうでないものがあります。
たいていの有名メーカーのものは取り付けるボンベの互換性がありますが、購入前に店員に聞いておくなどチェックはしてください。

◎たいていは自動点火装置がついています。しかしたまに点火しにくいばあいがあるので、市販の100円ライターを使えるようにしておくほうがいい。

◎家庭用ボンベと専用ボンベの違いは、専用ボンベのほうが火力が強く、容器が小さい割に長持ちすることがあります。

 

●1食当たりの燃料消費はどれくらい?

実際に出かけるときに頭を悩ませるのが「燃料はどれくらい持っていけばいいのか?」ということ。

現実的には気温や水温、使用するコッヘルやストーブの性能、メニューや食べる量にょって差があるので、一概に言うことはできない。

自分の経験で言うと、「朝=前の晩の残りで雑炊/昼=ラーメン/夜=炊飯、味噌汁、おかず」というメニューでも、小型のガス缶で3日は余裕で持ちました(個人差あり)。

必要以上に火力を強くしないことや、沸かしたお湯を効率よく使うこと、レシピにも工夫をすること、自宅で事前に加工できるものはしておくことなど、工夫次第で結構長持ちします。

 

 

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