淀川の流れから近い上牧という町がある。
かつては深い森の中に、荘厳な社殿を構えていた神社である。
今、広い境内は町民の憩いの場であり、高さ14m、幹周3.78mのクスノキが静かに見守っている。
地面が固くなってしまったせいか、細かく絡み合った根が露出している。
森であった頃は、やわらかい腐葉土で心地よかっただろうに。
懸命に立つ姿も哀れに思う。
この春日神社は、始めは一の宮と呼ばれ、奈良にある春日大社の一座であったが、菅原道真が左遷の時、当社に立ち寄った縁から菅公を合祀。上牧、鵜殿、井尻各村の鎮守として信仰が厚かった。大正4年に神奈備神社を合祀している。
※所在地
高槻市上牧町2-13