大文字山 京都五山送り火の山頂へ

京都五山送り火の山頂へ。
大文字山から京都市内を一望する

京都の夏の伝統行事である「五山の送り火」で有名な「大文字山」に登ってきました。
もしあの「大」の字の火床がどのようになっているのか?「大」の字の頂点から見た風景はどんなの?と気になる方は是非登ってみてください。

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大文字山へのルートは、銀閣寺から登れば30分ほどで火床に着けるが、しかし新緑・紅葉の美しい季節なら山の豊かな自然を満喫するために、「山科」からスタートするのがいい。

JR山科駅から坂道を上っていくと、途中に琵琶湖疏水を渡ります。この疎水は琵琶湖の水を京都の浄水場まで流す施設で、明治時代に作られてから現在に至るまでずっと京都市民の生活を支えています。疎水沿いには桜が数キロに渡って植えられているので、春になれば満開の桜並木の下を歩くことができます。

そして703年に開山された毘沙門堂まで来ると、これまでの住宅街から一変して山の緑が濃くなってきました。
ここは小さな寺ですが徳川家とのつながりが深く、後に門跡寺院になったことや、東海道を往来する諸大名が立ち寄った所でもあります。
そういう歴史背景があるせいか、ピンと張り詰めたような空気が境内に漂っている気がしました。

大文字山登山道「後山階稜分岐」で大文字山を指す道標を確認したら、その先はもう深い山の中。
沢が流れる杉並木の道を歩きます。

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ちょうど犬の散歩に来ていた女性と出会い、軽く挨拶をすると、、
「ハイキングの人を見かけるのは珍しい。大文字山まで登るの?」
と逆に聞かれてしまった。
確かに自分以外にハイカーは誰もいないし、駅前にハイカーらしき人たちも全く見かけなかった。
ある意味寂しくはあるが、静かに歩ける穴場的コースだと思って先に進む。

しかし困ったのは沢のキラキラ輝く流れと、木漏れ日に照らされるシダやコケが美しく、ついカメラのシャッターを押しすぎてしまうことだ。

やがて沢も細くなり、地中へ消えてしまうと急な上り道を一気に駆け上がる。
尾根道に出たところで、西風が吹きからだの体温を一気に奪っていく。
あ~寒い。

京都一周トレイルと合流する鹿ガ谷への分岐点から、ハイカーの密度も増えてきて結構にぎやかになってきました。
大文字山の山頂に着くとすでに先客の大阪から来たというご夫人が2名。
しかし目の前の展望を楽しむどころか、ずっと下界のわずらわしい世間話を大声でしているものだから、こちらも下世話な井戸端会議を聞かされているようでつらい。
山にまで持ち込まなくてもいいのになぁ。
山頂を離れて歩き始めてもしばらくその声がずっと聞こえていたから、いやはやあのパワーはすごい。
山頂から火床までは、急な下りが少しある。

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目の前に遮るものが何も無くなったところで火床に到着。
正面には愛宕山がでんとそびえ、北山から大阪まで見渡すことが出来る大パノラマが広がっています。
大谷石で作られた火床は全部で約75基あるそうですが間近にありすぎて、「大」の字を想像することはできない。
さて、ここの展望は素晴らしいが、欠点は風がまともに吹きつける事。
汗で湿った状態ではあまり長居できない場所だ。

下りは千人塚から銀閣寺方面へ。

こちらから上ってくる人は、街歩きの延長で来るせいか皆軽装です。
銀閣寺まで下れば、あとは哲学の道をのんびり歩いて南禅寺まで。
駅に着くころにはきっと「悩み事」のほとんどが解消されていることでしょう。

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