ピラミッド説のある円錐形の山。
立山へ向かう道すがら、富山地方鉄道立山線横江駅付近で、天を突くかのような尖った三角の異様な山と出会う。その名も尖山。63度という平均斜度が、その稜線の特徴を端的に示している。
くねくねとぬうようにして山頂に向かう道は、ところどころで石畳状となり、山肌にも石垣状の石組みが見え隠れしている。
そう、ここもピラミッド遺構ではないかという論議が沸騰した山であった。
十畳ほどの平坦地をなす項上では、安山岩の石塊が(ややわかりにくいが)、桜形の石を中心にサークル状に並び、その一部は強い磁気異常を示したという。
おそらく落雷による自然磁化によるものとされるが、それはそれはそれで、この山容と雷神を祀った京都・賀茂別雷神社境内の立砂との共通点を想起させ、興味深い。
また、山頂の北面にある巨大な石組みは、この山を調査した高山大学内で、人工的に整形されたものか、自然の節理作用によるものかという議論の最大の争点となった場所である。
●ひとくちメモ
地元ではトンガリヤマと呼ばれ、親しまれている。
山頂からは、中部国立公園の山々、常願寺川扇状地、富山湾などが一望できる。
●アクセス
富山地方鉄道立山線横江駅下車、登山口まで徒歩20分
●参考コースタイム
横江駅(20分)~登山口(40分)~尖山(40分)~栃津川西ノ又の林道(1時間)~横江駅
●問合せ
立山町役場
●地形図
1/25000 千垣・五百石