ハイキング、山歩き、特に登り坂ではどんな歩き方をすれば、バテずにあるけるのだろう?
颯爽と登っていく人を見るたびに、その秘訣を聞いてみたいと思うもの。
やっと登ったと思ったら、頂上は峠を下って登り直した先にある・・・なんていう登る気が削がれる場面もしばしば。
ちょっとここで、歩き方の基本を自己点検してみようと思う。
平坦な道の基本的な歩き方
ウォーキングを本格的に行っているなら、だらだらと長距離を歩いてもほとんどエネルギーを消費していないと言うことを知っています。
かといってスローマラソンに近いスピードで歩いてしまうと、足腰の筋肉に負担がかかりすぎます。
平地を歩くのに効率のいい速度は、時速3.6キロぐらい。
身長や体重等により個人差はあるけど、だいたいの目安はこれぐらいで、<バテない速度>と言われいます。
自分のペースで歩く、の勘違い
平地と違って山の登りでは、ゆっくりとあるくほどエネルギーの消費量は少ない。
初心者やバテやすい人には、「自分のペースを守って歩くことを意識してください」とよく言われます。
でも「自分のペース」とは、「一定の速度で歩き続ける」という意味ではありません。この点はよく勘違いされます。
「自分のペース」とは、道の状況に応じて歩くスピードを調節して、なるべくエネルギーを節約して歩くということ。
山に登るとわかりますが、道の状況や勾配は、その時々で頻繁に状況がかわります。
だから、ゆっくり歩いたり、ちょっと速めに歩いたりと臨機応変に対応しながら歩く方が疲れにくいのです。
【平坦な山道を歩くときの基本】
・心持ち前傾姿勢で歩く
・上体を左右前後に動かさない
・歩行に合わせて、一定のリズムで呼吸をする
・街歩きよりも、歩幅は狭めにして歩く
・時速3.6キロが基本
・視線は4歩か5歩先を見ながら、障害物を確認しつつ歩く
歩く速度を必要以上に上げない
平地を歩いていると、だんだん足が慣れてきて、ついつい必要以上に歩く速度が速くなっているときがあります。
でも、これが身体がバテる原因になりやすいのです。
基本速度は3.6キロ/時間です。
これより速く歩くと、一般人の場合は早すぎます。
バテてくるとルートファインディングもできなくなるぐらい、判断能力が鈍ります。そうなると怪我の元です。
平地でも、いつも整備されたきれいな山道だとは限りません。
木の根っこが横断していたり、岩がごろごろしているところや、倒木などがあるかもしれません。雨の翌日などは水たまりも所々にあります。
歩く速度に気をつけながら、足場の安全性を確認しながら歩くことが、無駄な体力の消耗を助けることになるのです。
山でバテない登りの歩き方
傾斜が急になれば、より多くの体力を消耗してしまいます。
斜面が急であるほど、歩行速度を抑えてゆっくり登ることが基本中の基本です。
山歩きを2年以上している人なら、ご存じだと思いますが、地面に対する「足の置き方」にもコツがあります。
登り道では、靴底を地面にフラットに置きながら、体重を足裏全体に平均してかけるようにして登るとバテにくい。
地面に平行にベタリと靴底を着けながらあるけば、それだけクッションが効いて、スリップをする心配もありません。
そしてどんなに基本に忠実な歩き方をしても、登り道では足首に負担が結構かかります。
よく後ろ向きで歩く方が、楽に感じることもありますが、それは足首を曲げなくても、地面に水平に足をおけるからです。
登り道では、足首を曲げて歩かなければならないことと、背中に背負ったザックの重みも負担になります。
できれば斜面に顔を出している岩や、木の根っこなどを利用しながらなるべく足首を曲げずに登れるような工夫をするといいでしょう。
登るときの歩幅は、傾斜が急になるほど狭くすると疲れにくい。
そして直登を避けて、道幅に対してジグザグに登るのも、足首への負担を軽減する歩き方です。
【登り道を歩くときの基本】
・歩幅は狭く、傾斜が急になるほど狭くする
・呼吸は歩行に合わせてリズミカルにする
・体重が平均的にかかるように靴底は地面に対してフラットに置く(つま先だけで登らない)
・腰をしっかりと据えて、身体が横に振れないように注意する
・前屈みになったり膝に手を当てながら登るとバテやすい
最も気をつけたい下り道の歩き方
山で一番怪我や事故を起こしやすいのは、下り道です。
エネルギーの消費量は登りと比べて少ないものの、障害物に対して気が緩んでいるときが多い。
だから下り道では、体力的にバテることは少ないものの、精神的にバテて疲れたり、脚が特に疲れることが多くなります。
下り道では意識していなくても、加速がつくので脚に負担がかかっています。
特に脚の筋肉は、登りとは真逆の使われ方をするので、痛めやすいのです。
下り道では、下をしっかりと観ながら一歩一歩確実に下ろう。
加速に身を任せてはいけない。
【下り道を歩くときの基本】
・やや前傾姿勢で一歩一歩確実に下る
・頭、腰、体の重心が地面と平行に移動するようなイメージで歩く
・踵だけで脚を接地すると、尻餅をつきやすい
・体よりも脚が先に出てしまわないように歩く
・急な下り坂でも怖がらずに歩く。へっぴり腰だと必要以上に疲れます