登山届が自分の命を守る重要な命綱になる理由

登山ポスト

2014年の御嶽山の噴火や、海外でも山岳地域の災害に伴う遭難が最近よく耳に入るようになりました。
皆さんは登山届を提出していますか?
1000m程度の山でも藪が多かったり、歩行に困難な場所が多い登山道がある山では、登山届を出すポストが登山口付近に設置されているのをよく目にします。
いつもなら「この程度の山で…」とか「北アルプスじゃないんだから…」と、届け出を書く時間ももったいないし、面倒だからとポストを素通りしていました。
でも昨今の災害をニュースでめにするにつれ、その意識も変えざるを得ない状況になっています。

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登山届の利用じわりと増加中、御嶽山噴火で遭難に備え、現地では早期の捜索へ条例化へ

新聞に書いてありましたが、登山者が入山のルートなどを事前に書き記す「登山届」の利用が広がりつつあるそうです。

そのきっかけは、昨年の御嶽山(長野・岐阜県)噴火で行方不明者の把握が遅れたことでした。
これまでは入山者の意識に任せていたものが、今回のことで登山届の意義が見直されて、地域の条例で義務化する動きも出ているという。

これから各地で夏山シーズンを控えているので、専門家は「計画的な登山と遭難時の迅速な救助につながる」と提出を呼びかけておられます。

山岳地の災害で困るのは、入山者の把握が困難であることがひとつあります。
地上と違って、山林の中で人を探すのはとても困難ですし、怪我をして動けない人がいても最悪、捜索もされないということもあり得ます。
さらに災害が起きて遭難した場合の身元確認のためにも重要になります。
日帰りできる山や何度か登ったことがある山だと、家族や知人にさえ何も伝えずに出かけてしまうのが普通だと思います。
残された人は、まさか山で遭難しているなんて思わないでしょうから。

山を甘く見ている人たちへ

ある登山者は、好天に恵まれたある月の週末、秩父の代表的な山、武甲山(埼玉県、1,304メートル)の登山口は多くの登山者でにぎわっていた。登山口脇の黄色い箱から用紙を取り出し、氏名などを記入して投函(とうかん)。次々と登山道へ入っていった。

東京都の会社員、岡村義秋さん(38)は登山を始めて約2年になるが、登山届を出すのは初めて。「御嶽山噴火で山を甘く見ていたことに気がついた。万が一、遭難したときに身を守ってくれるかもしれない」と話していた。

埼玉県警によると、2014年の提出件数は約1万2千件で、12年の1・5倍に増加。今年1~4月も2,538件で、昨年の同時期(1,839件)を大きく上回った。

登山届が自分の命を守る重要な命綱になる

昨年9月に起きた御嶽山の噴火では登山届を出さない登山者が多く、行方不明者の把握が難航。登山届の重要性が見直されるきっかけとなった。

長野県は約170の山を対象に提出を義務化する条例を検討中だそうです。
そして岐阜県も14年施行の条例を改正し、登山届の提出を義務付けるエリアを広げました。

日本政府が今、国会に提出する活火山法改正案は自治体に対し、登山届などによって「登山者らの情報把握に努めなければならない」と努力義務を定めるようにしています。

ただやっぱり、登山者全体で見ると、登山届を出しているのはまだ一部です。
埼玉県内で今年のゴールデンウイーク中に起きた遭難事故6件のうち、登山届が出ていたのは2件。同県警の関根英勝・地域課次席は「登山届があれば捜索範囲が絞られ、もっと早く捜せたケースもあった」と話されているそうです。

日本山岳協会の尾形好雄・専務理事(66)は「低い山でも遭難や滑落の危険はある。登山届が自分の命を守るという意識はまだ広がっていない」と指摘。「登山届を習慣づければ、コースや危険な場所を下調べするようになり安全な登山につながる」と伝えています。

<登山届とは?>

登山者が氏名や住所、緊急連絡先、入山と下山予定の日時、登山ルートを記入し、登山口や最寄り駅に警察や自治体が設置した専用の箱などに提出するもの。
警察などが定期的に回収し、災害や遭難の際には安否確認や捜索に使用する。
戦前から大学の山岳部などが作成していた登山計画書が原型となり、戦後の登山ブームの中で各地の山に広がった。谷川岳(群馬・新潟県)や剣岳(富山県)では、遭難事故の増加を受けて1980年代から条例で提出が義務付けられている。

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