10代のネット依存をキャンプで克服!文部科学省が主催。ネット依存対策のための「セルフチャレンジキャンプ」とは?

スマートフォン(スマホ)や、パソコンに夢中になって、健康や学業に支障をきたす子供が増えています。
今や「ネット依存」は、10代の青少年たちを蝕む社会現象ともなっています。
そのネット依存症の克服を目的にした、キャンプ活動が2014年から開催されています。

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インターネットを使えない環境の下で、中学生から大学生までが参加した合宿生活をします。
具体的なプログラムや専門家の助言などから、生活改善に向けて必要なポイントが日経新聞にまとめられていました。

キャンプが開催される場所は、富士山の麓にある静岡県御殿場市の研修施設。
8月中旬、中学1年から大学1年までの男子10人が集まった。
いずれもスマホやゲームが手放せず、ネット依存外来のある久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)で治療を受けたり、相談に訪れたりした生徒や学生ばかり。

文部科学省が初めて実施したネット依存対策のための「セルフチャレンジキャンプ」。
コースは、長期間(15日間・30日間)ボランティアメイト(大学生等)と共同生活しながら、3食自炊(原則)し、「早寝早起き朝ごはん」など規則正しい生活をする。

ここでは、酪農など農村のボランティア活動を通じて本来の人間らしさを取り戻していくという。
最終的には、0合目から富士山頂をたどる「村山古道」にチャレンジします。
日本一の標高を目指す3泊4日の旅は、まさに3週間かけて創り上げたチームワークが試される舞台。
道なき道を行く途上で、苦しくなるといつも誰かが誰かを支え山頂を目指します。
最終日、富士宮口新6合目を朝5時にスタート。仲間の声に励まされながら一番遅れてしまった参加者が山頂についたのは12時間後の午後5時、全員の歓声が夕暮れの山頂に響きわたります。
参加者は「私はやればできる子なんた」という自信に満ち「達成感が自信に変わった瞬間」を確かに感じることができるという。

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●参加者のスマホ預かる

「スマホやゲーム機は預かります」。
キャンプの冒頭、事業を受託した国立青少年教育振興機構(東京・渋谷)のスタッフが合宿生活の基本ルールを告げた。

10人の平均ネット利用時間は多い時で1日15時間に及び、なかには生活が昼夜逆転し食事を十分に取らない子供もいたという。

同機構によると、ネット依存とは、ネットの使いすぎで健康や暮らしに影響をきたすなどコントロールが難しい状態を言う。

キャンプでは「基本的な生活習慣を取り戻すきっかけ作り」(文科省)を目的に、午前6時の起床と午後10時の就寝を徹底させた。引きこもりがちな参加者もいたが、グループでの登山や調理を重ねるうち、徐々に会話も増えていった。

合宿中には久里浜医療センターの医師や、臨床心理士がカウンセリングなどに当たった。

毎朝、子供に日々の行動や考え方を振り返らせる「認知行動療法」を実施。その内容は、キャンプ前の1日の過ごし方を自覚するというもの。
▽ネットの利用時間
▽1年後どうなると思うか
―といった点を子供がノートに書き出し、現状を客観的に捉えるのが狙いだ

●「人と関わること楽しい」と思える状態になる!
参加者全員が全てのプログラムを修了した。

同機構によると、10人は「人と関わることが楽しい」「相談できる人がいてよかった」といった感想を述べ、不登校が解消した参加者もいたという。
同省は今年度中に2回のフォローアップ活動を実施する。
同センターの心理療法士の三原聡子さんは「様々な体験を通じて現実世界に楽しみが見つけられれば、ネットに触れる時間も減っていくはず」と期待する。

厚生労働省の研究班(代表・大井田隆日本大教授)が2012~13年に全国の中学、高校の生徒を対象に実施した調査によると、ネット依存が強く疑われる中高生は推計51万8千人に上る。自覚症状のない子供が多いうえ、低年齢化も進んでいるとされる。

ネット依存問題に取り組む民間団体「エンジェルズアイズ」(東京)代表で学校などで講演活動を続ける遠藤美季さんは「LINEなどの交流サイトを使う友達が増えれば、使わないと仲間はずれになる、との同調圧力が生じ、長時間利用につながる」と分析。次々に新サービスも登場しており「使い方をコントロールできるような取り組みが必要」と指摘する。

遠藤さんの講演を機に、横浜市立今宿中学校(同市旭区)は、生徒にネット依存について考えさせる取り組みを始めた。13年度から生徒が自分たちのネット利用時間を調査、結果を廊下に張り出したり、依存を避けるためにできることを話し合ったりしている。

生徒からは「将来の目標があれば依存はしないと思う」といった意見が挙がった。遠藤さんも「勉強や部活、遊びなど、ネット以外に熱中できる選択肢を可能な限り多く示すことで、子供が関心を持つ対象を広げることが効果的だ」と話している。

●文科省、実施個所拡大へ。ネット利用時間の増加が続き懸念を示す

文部科学省がセルフチャレンジキャンプを始めた背景には、子供たちのスマホ所持率やネット利用時間の増加が続き、学業にも悪影響を与えていると考えられているためだ。

内閣府の調査によると、10~17歳のスマホの所持率は2011年度の5・7%から、13年度は56・8%に上昇。携帯電話やスマホを使った1日のネット利用時間は、同期間で81・3分から107・4分に伸びている。
文科省の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)でも、平日に携帯電話やスマホでネットなどを利用する時間が長い子供ほど、正答率が低くなる傾向がみられた。

同省はキャンプの実施先を16年度までに全国7カ所に拡大させる方針で、担当者は「参加者の生活の分析などを通じて、依存への陥りやすさなどを調べたい」としている。

●子供のネット依存を避けるには

現状を知る
○使用時間を記録し、どれだけネットを使っているか自覚する
○ネットに夢中になったきっかけを探す   
○ネットの影響でできなくなったり、切り詰めたりしていることを書き出す
改善に向けた行動
○利用時間を設定し、書き出す
○ネットの代わりに楽しめる活動を始める
○外部のグループなど、支援を探す

※参考 2014/10/17 日本経済新聞より

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