自分の足に合う靴を選ぶ
現在、日本で販売されている登山靴は国内のブランドはもちろん、海外のブランドでも日本人の足型に合うようなものを生産しています。
それは、国内メーカーのものも足型の研究が進んでいて、独自の木型により、多くの人に合いやすい登山靴が増えてきたからです。
日本人の足型は甲高幅広とよくいわれます。
もうひとつの特徴が、足の指のなかでいちばん長いのが拇指という点です。
一説によると日本人の半数以上がこのタイプだといわれています。
普通の靴の場合だと、どちらかというとセンターを中心にしてつま先のほうへしぼっていく形になっています。そのため、拇指が長いと圧迫されてしまいがち。
とくに、標高の高い山でありがちな長い下りでは「拇指の爪が当たって痛い」という人が多いようです。
長い下りで拇指がいたくなる人の靴の選び方
そのような方には、幅広で拇指の部分が長めになっている足型の登山靴がおすすめ。
3E+や4E+のような幅広の靴になるとつま先がずんぐりとして、すこしごつつい感じになりますが、履き心地は多くの人に好評を得ています。
登山靴ではシリオやガルモントなどのメーカーがこのタイプにあたります。日本メーカーではモンベルなども良いです。
足の形がほっそりしている人の靴の選び方
これと反対に、足型がほっそりとしている人には、当然、細身の靴のほうがぴったりします。
しかし残念なことに、最近は細身の靴をつくるメーカーが少なくなってきているという。
どうしても靴の幅が広すぎたり、甲に余裕がありすぎる場合もまれにあります。そのときは、中敷きと靴下、靴紐の締め加減で調節しよう。
その点では、甲の部分を締め上げやすい靴が、その人の足に合わせやすい。
最近の登山やハイキングはファッションの流行もあり、デザインのいい登山靴が欲しい気持ちはわかりますが、まずは、機能と履き心地優先で遊ぶのが、登山靴購入の際のポイントです。
登山靴をより快適に履くためのアイテム「中敷きと靴下」
登山靴自体の機能というのではないけれど、ブーツチューンナップという意味もふくめて、中敷きと靴下はとても重要だ。
登山靴自体は出来合いのものなので、さらに履きやすくす
るといっても限度があるから、プラスアルファとしてこれらを考えたい。
登山靴に最初からセットされている中敷きは、薄い簡単なものがほとんどです。
靴の購入時には中敷きも一緒に購入する
交換用の中敷きは、厚み、硬さ、衝撃吸収性などのちがいによって、いろいろな種類がある。
また、人の足はそれぞれ微妙に異なっているし、感覚的にもちがいが大きいもの。だから、いろいろな中敷きを実際に試して、自分にあった中敷きをさがすのがよいだろう。
そして、靴を買い替えるときには、その自分にあった中敷きをもっていって靴を合わせるのがいい方法。
靴下も、靴の履きやすさや、フィット性に大きく関係してくる。それだけではなく、サイズの調整という意味でも役割を果たしている。
登山歴の長い人のなかには、昔からの馴れでどうしても靴下を二枚使いたくなる人が多いかもしれない。
しかし、靴の硬さや機能などを考えて、靴下も使い分けよう。
ライトなタイプの登山靴で、アッパーがソフトな靴の場合には、靴下は一枚で充分なことが多いはず。
二枚も靴下をはいて汗をかくと、靴下同士がずれて、靴擦れやマメができてしまうこともあるので要注意だ。
最近の登山用靴下は、かなり機能的に考えられている。汗をかいても不快にならないように速乾性の素材を使用したり、クッション性を高めるために部分によって厚さを変えるなど工夫されている。
薄地のものから厚地のものまで、また素材も各種そろっているので、靴の種類や山行の状況に合わせて選んでいこう。
低山ハイキングにも適した軽登山靴の選び方
百名山をめざしてガンガン登っている中高年の方がいる一方で、山麓しか歩かないという人がかなり増えています。
そのため近年、よりライトなタイプの靴がものすごく増えています。
このライトタイプの靴は、重登山靴とハイキングシューズの中間のような感じ。
高さもミッドカットくらいのタイプが多い。
全体的にソフトで、ソールのフリクションを生かして歩くような靴だ。
サロモン、モンベル、キャラバン、マムートなど、多くのメーカーからこのタイプの靴のラインナップがあり、このクラスの靴が、各メーカーともにしのぎを削って開発を進めています。
中高年の登山がブームになって以来、登山靴のタイプは増えてきました。
登山靴というと、ごつくて垂たいというイメージがありましたが、初めて登山靴を履く人にも抵抗感なく受け入れられる工夫という意味からも、ライトなタイプの登山靴が増えてきたのではないでしょうか。
いままでは本格的な登山靴だけを扱ってきた登山用具専門店も、ライトな靴を扱ようになってきました。
登山形態の多様化は、さまざまなタイプの登山靴を生み出しています。
それぞれの登山靴がその使い方と目的に応じて機能的に改良されてきています。
目的別にいくつかの登山靴を使い分けていくというのが、これからの登山靴の使い方といえるのではないでしょうか。
自分の登山がどういったタイプなのか知り、そこから自分の見にあった靴をさがせば、きつと自分にぴったりの登山靴が見つかるはずです。