アウトドアショップやメーカーのセレクトショップの売り場には大小色とりどりのザックが勢揃いしています。
どれを選んだらよいのか、おおいに迷ってしまいます。
ザック選びは日程と登る山で決まる
登山初心者は、ザックからひんばんに取り出すものがなにかわかっていないから、小物の取り出しに便利なサイドポケット付きを求める傾向がある。
とくに女性は、小型のタイプのザックを求める人は多い。
ただ、サイドポケット付きのザックは、筒型のザックに比べて、背中で左右にふらつく傾向があります。
そうならないようにパッキングするには、それなりの工夫がいります。
シンプルな箇形のザックは、最初は不便に思えても、よく使うものを取り出しやすいところにパッキングするなど、ちょっと工夫すれば不自由は感じなくなります。
また、外から見えないところに内蔵された小さなポケットがいくつかあります。
慣れればカバーできる不便さよりも、ザックはなによりも背負いやすさを第一に考えることです。
ザック購入時の全般的なチェックポイント
ビギナーの方は、まず登る山と日程を登山用品店の店員に伝えて相談してみよう。
たとえば、コース上に岩場があったりけわしい山では、箇形のザックをおすすめられるだろう。
そして、ザックが岩角に当たってバランスを崩したりしないデザインを選ぶことが大切です。
ザックの容量を決めるのは登山日程です。
◎低山日帰り/25~35リットル
◎山小屋食事付1泊/30~40リットル
◎山小屋食事付2~3泊/40~50リットル
◎山小屋自炊1泊/40~50リットル
◎テント1泊/50~60リットル
◎テント2泊以上/60リットル以上
写真撮影やスケッチなどの道具も収納するなら、さらにプラス5リットル程度大きめのものを選ぶ。
ここで大切なことは、ザックのバックレングス(ショルダーベルトの付け根から底までの背面の長さ)が自分の体型に合っているかどうかです。
お店ですすめられたザックは必ず背負い、腰骨の位置にウエストベルトを締めて、背中にしっかりフィットしているかを確かめる。
小型ザック(25~35リットル)の選び方は、中・大型ザック並みの機能を備えた、身体によくフィットするものを選ぶ
日帰りか山小屋1泊程度の登山に用いられるザックは、もっとも需要が多い。
カラフルで多機能なザックを出している海外ブランドでも、日本人の体型に合わせたモデルがいくつか出ており、とくに女性の場合は、選択の幅が格段に広がっている。
そうした小型ザックのなかでオススメは、女性用につくられているバックレングスが43㎝と短い、ファスナー開閉2気室タイプのザックである。
小さなポケットが多く、小物類を収納するのに便利だが、そのわりにデザインはシンプルにまとまっている。
ただ、この容量のザックにしては、フレームの内蔵といい背当てやウエストベルトの厚さといい、つくりが大変ヘビーな点が目につく。
ある程度登山経験がある人では、背当てのパッドが厚いものは気に入らないと思います。
しかしビギナーはパッキングが上手くないので、やはりパッドのしっかりしたものがオススメです。
そしてザック自体の重量というのは、ザックの容量が大きくなれば、当然ザック自体の重畳は重くなります。
しかし、同じ容量なら大型ザックでもせいぜい300㌘程度の
違いでしょう。
背負ってみると、ほとんど違いはわからないと思います。
それよりも、自分の背中にフィットしているかどうか、これがもっとも大切なことです。
なお、バックルで留めないファスナーだけで収納口をとめるタイプのザックを求めるときは、次の2点に注意したい。
ファスナーは手袋をしていると格段に扱いにくい。
つかみやすくするために、ファスナーのタブに紐が通してあるかよく確認したい。
また、このタイプのザックは、開口部に雨ぶたが載っている単純な紐締めのザックに比べて、容量に融通性がなく、詰め込みすぎると閉められない。
カタログデータよりも、容量は若干少なめにみておいたほうが無難である。
やはりオススメのザックは、初心者でもオーソドックスな筒形の雨ぶた付き紐締めタイプ。
一般の登山やクライミング用としてつくられ、容瀧は小さいながら、中型ザック並みにショルダーストラップが付いていて、ザックを背負ったときの重心を徴調整することができるタイプだ。
いくつかザックを使ってきた山慣れた人の買い替えには、このタイプのザックがよいだろう。
中・大型ザック(50~60リットル)はシンプルなデザインが真価を発揮する。容量の融通性にも注目して選ぶ。
このくらいの容量をもつザックになると、求める側もある程度の登山体験を積んでおり、注文は具体的になるだろう。
山岳雑誌の広告などを参考にして、明確なイメージを持ってくる人も多い。
装備・食料をびっしり詰め込めば、ザックの重さは20キロ近くになるから、背負いやすさが厳しく問われるのは、当然のことです。
可動式の雨ぶたやショルダーストラップ、ウエストストラップは標準装備であり、バックレングスの調節機能が付いたザックも、この容量から現われ始めます。
もちろん、本体の素材にも繊維の太い強いものが使われている。
そしてその外観は、シンプルな筒形デザインのザックに落ち着く。
特におすすめは、可動式の雨ぶたをもつシンプルな筒型ザック。
カタログデータでは50リットルですが、雨ぶたを持ち上げ、本体からインナーを引き出せば、さらに10リットルぐらいは収納可能です。
外観はシンプルですが、細部がじっによく考えられています。
たとえばウエストベルトは、このサイズにありがちな分厚いタイプのものではなく、薄めにつくられてよくフィットします。
そのほかに、ロングセラーの大型ザックをベースにして、容量が60リットルで細身の女性用ザックがモンベルなどから出ていますが、この容量に必要な機能はすべて備えています。
50リットル以上の容量のザックを選ぶときは、なによりもザックのバックレングスが体に合っているか、またはその調整機能をもっているか、そして雨ぶたは可動式で、ショルダーストラップ、ウエストストラップが付いているか、などの基本条件を満たしているものから選ぶことになるだろう。
登山用ザックの防水性はどの程度か?
表地はほとんどが撥水加工で、裏地が防水コーティングされているわけですが、縫い目から水が浸入することはありえます。
雨の日はザックカバーかスタッフバッグの併用をおすすめします。
主婦の方などは、スタッフバッグの代用品としてフリーザー用のポリ袋を利用するようです。
登山用ザックの耐久性はどうか?
耐久性についてのチェックポイントは、縫製と素材の強さということになるだろう。
縫製がしっかりしているかどうかは、裏の縫い目を見れば判断できます。
本来、裏にマチを当てて補強されなければいけない生地の
継ぎ目にマチがなかったり、縫い目がきれいに重ならずにズレていたりすると、そこから傷み始めます。
素材の強さは、縦走用として使う分には、それほど気にしなくてもよいと思います。
ただクライミングでは、それなりの強さが求められます。
このため、メーカーによっては、岩との摩擦が多くなりがちなザックの両サイドのコーナーに、引き裂きに強い格子模様のリップストップの厚地素材を使っています。