靴選びのポイントは、自分の足形や旅のスタイルに合っているかどうかを重視することだ。
デザインなど外見で決めようとせずに、足にフィットするかどうか、歩きやすいかどうかなど、機能面を重視して決めるほうがいい。
靴選びを間違えてしまうと、どんなに楽しい旅も、辛く苦しいものになってしまいますよ。
ローカット・モデルは、荷物が軽いか、車道だけを歩くような場合には適しているが、ハイキング道よりもハードな道を歩くことがあるならば、ねんざのリスクを軽減するためにミッドカット以上の深さのあるモデルを選びたい。
ハイカット・モデルにもグレードがあって、デイパック程度の荷物で日帰りトレッキングに適するライトなものから、テント山行にも耐えるヘビーなものまである。どの程度のレベルのものを買えばよいのかを考えたとき、ひとつの目安になるのがソールの硬さだ。
荷物が重くなってくると、小石を踏んだだけでソールが変形し、足の裏が痛くなってしまうから、しっかりしたソールの靴が必要になる。一般にアッパーのつくりや足首のホールド性も、ソールの硬さに比例して、しっかりとしたものになってくるから、よりわるいコンディションに強くなる。
以下に、ハードな山岳ルートも含めたバックパッキングに行く場合の、ソールの硬さの目安を示そう。ガレ場や過激なアップダウンがないルートなら、1ランク落として考えるとよい。
ザック容量が30リットル(おおむね7kg)未満なら、ソールを手で強く曲げてしなる程度のものがよい。上り坂でも柔軟に変形するので歩きやすく、ソールの反発力を利用してリズミカルに歩ける。
30~50リットル(おおむね7~15kg)になると、ソールは手では曲がらないが、荷物を背負わずにつま先立ちしたときにしなる程度のものがよい。このくらいの硬さなら、荷物を背負った状態では適度に変形し、歩きやすい。
50リットル(おおむね15kg)以上の場合は、つま先立ちしたときに、新品のうちからしなるようでは心もとない。本格的な登山靴も選択肢に入れたい。
●細かい所に注目してみる
メンテナンスしながら長期間使うつもりなら、アッパーは総革で、ソールの張り替えができるものを選ぼう。最近は、外観だけではソールの張り替えが可能かどうかわからないものが増えてきたので、ショップの人に確認したほうがよい。ちなみにソールの張り替え料金は、だいたい1万円程度だ。
軽量性を求めるなら、ナイロンとバックスキンを組み合わせたアッパーのものがよい。ゴアテックス・プーティ内蔵のものなら、防水性もOK。ただし縫い目が多いため、こすれてほつれてくることがある。
最近のブーツの進歩はめざましい。フックの素材や形状を見直すことによって「締めやすく、緩みにくい」という相反する機能を持たせているものや、かかとに衝撃吸収素材を内蔵しているものもある。
●足に合った-足を選び、足の-部にする方法
ブーツのタイプが決まったら、試し履きをしてみよう。よくいわれる「靴は午後買え」というのは、「充分に歩いて足が膨張した状態で買うのがよい」という意味だから注意しょう。
ショップでは、必ず両足とも履いて、歩いたりしゃがんだりして確認する。シミュレーションコースが設けられている場合は、遠慮せず利用しょう。
試し履きの際には、まずサイズを合わせる。実際に使用する靴下を履いて、つま先が当たるまで足を奥に入れて、かかとに人差し指1本が入る程度が適正サイズ。ピッタリすぎると、下り坂でつま先が当たって爪を痛める。
次に、足幅が合っているかをチェックする。靴ひもをきちんと締めた状態で体重をかけ、横方向の具合を確認しよう。かかとの納まり具合も要チェック。ヒールカップが大きすぎるとかかとが浮き、靴ずれの原因になる。
甲の押さえがあまくないかも確認したい。靴ひもを甲の部分までしっかり締めたとき、足が前に動いてしまうようではダメ。下り坂で靴の中で足が動いてしまい、爪を痛めるもとになる。これはフラットなタイプのインソールを1枚追加することで改善できる。
もちろん、全体のフィット感も重用。くるぶしやアキレス腱回りのフィット感がよく、荷重をかけたときに特定の場所が当たらないか確認する。特にフックの裏側が当たりやすいので注意。
●正しく履きこなすことが大切
ある程度しっくりしているけれど細部がいまひとつ、という場合はチューンナップするとよい。
いちばん簡単なのが、インソールの交換。衝撃吸収素材が入ったものや、熱を加えて足の裏の形に変形させるタイプなどがある。特に後者は、最近いくつかの種類があり、効果も大きい。
また、意外と侮れないのが皮革などの天然素材。一枚草のインソールは、履いてい争フちに足の裏の形に変形して、フィット感が向上してくる。
靴ひもを全部締めた状態で、結び目が大きくなりすぎるようなら、迷わずひもを切ってしまおう。末端はライターであぶって固めておけば、ほつれを防げる。電器コードの絶縁に使う熱収縮チューブをかぶせるのもよい。
ブーツをきちんと履きこなすために、正しいひもの締め方も覚えておきたい。平地や上り坂では足首がスムーズに曲がるように、靴ひもは足首の折れ曲がる部分を境に、下をきつく上を緩めに締める。特にソールが硬い靴の場合、上まできつく締めてしまうと、すねをテコの支点にしてかかとが上下にすれ、巨大なマメができることがある。
下りでは逆に、いちばん上まできちんと締める。締め方があまいと、靴の中で足が滑ってつま先が当たり、爪を痛めることになる。
長年愛されていて日本人の足にもフィットしやすい老舗メーカーキャラバンは、通販でも安心して注文ができます。
●ブーツをより長持ちさせるために
ナイロン+バックスキンのブーツは、ブラシで泥を落とし、陰干しする。撥水性が落ちてきたら、撥水スプレーをかける。皮革部分にオイルは塗らない。雨中歩行で中までぬらしてしまった場合は、ぬるま湯ですすいで陰干しする。
レザーアッパーのブーツも、日常のメンテナンスは靴ブラシで泥を落とし、陰干しする。使用しているうちに皮革が乾燥してきたら、保革油を塗る。型崩れさせたくない部分(つま先やかかと)は薄めに。撥水性が落ちてきたら、ウオータープルーフ・オイルを塗って、ブラッシングしておく。
カビや汚れやにおいがひどい場合は、ぬるま湯と石鹸とスポンジを使って丸洗いしてしまう。合成洗剤は使わないほうがよい。洗った後は、丸めた新聞紙を詰めて成形し、ひもを掛けて陰干しする。半日ほど乾かしたら、新聞紙を詰め替える。生乾きになったら新聞紙を取り出し、保革油を薄く塗ってさらに陰干しする。乾いたら、ウォータープルーフ・オイルを塗っておく。