ふくらはぎが急に固まったようになり、痛みとともに筋肉が痙攣した状態が、足をつるということです。
1人で山歩きを楽しんでいると、どうしても急ぎ足になってしまって、休憩も取らずにあるき続けてしまうことがよくあります。
そのため足に負担がかかって、痙攣を起こすのです。
通常は筋肉に疲れが溜まった時になりやすいといいますが、山の中で足がつってしまうとその場で動くことが困難になります。
足をつらないための予防や、つった後はどうすればいいのかを考えてみましょう。
●下山途中で急にふくらはぎが激痛に襲われる
足がつったとしても、決して死に至るほどのことにはなりません。
しかし、本人にしてみれば、死ぬほど痛く、耐えがたいのがコムラガエリと呼ばれる足の痙攣です。
これは、1人歩き、グループ登山に関係なく登山者全般が経験します。
その中でも、特に先を急ぎがちになる1人歩きをする人に多いようです。
そして、1人ゆえにコムラガエリの時間が長く感じられ、つぎの行動に強く不安を感じるようになるのです。
長時間歩き続けて、ちょっと休憩しようとした時に太腿が痙攣し、激しい痛みに襲われることもあります。
じっとしていれば30分ぐらいで回復するのですが、無理をして歩き続けると、筋肉にかかる負担が必要以上に大きくなりさらに痛みが増して、歩けなくなるかもしれません。
初心者であれば、この痛みがいつ治まるのか、無事に下山できるのだろうかと不安になると思います。でもただ、じっとしているのが一番早く治るコツです。
足がつる原因としては、長時間の歩行後の急激なピッチの変更後に起きるようです。
それと、一般的に言えるのは、登山の経験の浅い人がなりやすいのだとか。
しかし、その一方で海外遠征の経験もあり、多いときは100キロものボッカをしている人でも、時としてコムラガエリに苦しめられることがあるというから、一概にはいえないようです。
●足がつった時のファーストエイド
足がつる前は、歩いていると何か筋肉に違和感を感じることがなかったですか?
予防のためには、完全なコムラガエリになる前に、兆候を早めに感じとることが大事です。
歩いているうちに、足に疲労がたまってくると、筋肉が固くなり冷えてきます。
そうすると、ピクピクと筋肉から脳に信号が送られてくるのです。
ちょっと違和感を体に感じたなら、我慢せずに大休止をするつもりでザックを下ろし、リラックスすることをおすすめします。
そして、筋肉を柔らかくするマッサージをして、スポーツドリンクなどで水分と塩分をしっかりとって、もう大丈夫だと思うまでは行動に移らないことです。
もし、完全にコムラガエリになったら、とにかく横になって、少しでも痛くない姿勢をとろう。
あわててマッサージをしても、逆効果になり、さらにコムラガエリを併発することになってしまうからです。
コムラガエリが収まって、少し間をおいてからマッサージを始めるのが無難です。
さらにザックから、足を暖めることができるセーターや雨具、ヤッケなどを出して、足がつっている部分を覆って冷やさないようにします。
また、こんな時のためにインスタントカイロやヒルドイド軟膏を携行しているとよいでしょう。
要は、血行が悪くなり、固くなった筋肉をいかに短時間に柔らかくするかです。
コムラガエリに内的な原因として上げられるのは、ビタミンB1、塩分、カルシウム不足などが考えられます。
ふだんから新鮮な生野菜などを多くとり、偏食しないように心がけよう。
コムラガエリが起きるのは、いずれにしろ、筋肉が疲労している時。
できることなら行動計画を縮小して、無理をしないことです。
そして、次回から同じ鉄を踏まないためにも、十分な体力作りをしておくことです。