山の天気は予報情報を参考にして観天望気で見極める

山の天気は変わりやすい、とよく言われます。

山の麓では晴れていたのに、頂上に近づくにつれて雲行きが怪しくなり、ポツポツと雨が降ってくる・・・ハイキングを趣味にしているなら、誰もが経験することです。

困ったことに山の天候は局地的なものだけに、天気予報だけでは判断できないことが多い。

山の天気を知るために、登山者はどのような方法をとっているのだろうか。

山の天気
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天気の予知方法は人それぞれ

昔の登山では、ラジオを聞きながら天気図を書き、現在の気圧配置を知る方法をとっていました。

昔の映画やドラマなどで、そんな場面を見たことがあるかもしれませんが、これは経験と知識が要求されるので、とても難しい方法です。

初心者でも簡単にできるような、天候の予知方法って無いものだろうか?

実は今では情報網も発展しているし、天気予報の精度もかなり詳しくなっています。それに日本人が昔から行ってきた天候予知の風習も、とても役に立ちます。

だから自分なりのやり方で、いちばんやりやすいと思うものをいくつか知っておくと良いでしょう。

ラジオを持参して休憩ごとに天候をチェック

山に入る一週間くらい前から、テレビやラジオの天気予報を聞いて、登山日の天候の様子を調べておくこと。

そして、小さな携帯用のラジオを持参して、山に人ってからも、放送があるたびに耳を傾けることもおこたらないようにするといい。

とくに夏には、各山域ごとの予報が出されるので、とても重宝します。

スマートフォンにもラジオアプリがありますが、携帯電話会社からの通信ができない環境では使用できないことがあるので、別途ラジオを持っておくほうが良いでしょう。

地元の人に天気の様子を伺う

山へ入る前日に、目的の山の天気予報を電話(市外局番に177)で聞いたり、電話のある山小屋に直接、聞くといい。

特に泊りがけの登山の場合は、山歩きの途中で天候が急変すると対処に困るものです。

そこは経験豊富な山小屋の主に、天候の具合や急変する可能性の有無などを聞くと、重要な判断材料になります。また、急変した場合の避難場所やエスケープルートの有無も確認するほうが良いでしょう。

インターネットの情報を利用する

現在、天気予報としてよく利用されるのは、インターネットを利用する方法です。

代表的なことろではYahoo!天気(https://weather.yahoo.co.jp/weather/)など、全国の天気予報を調べることができます。

自分の知りたい県をクリックすると、その県の今日、明日、明後日、1週間後までわかるようになっています。

さらに市単位、町単位、1時間ごとの天気の移り変わり、雨雲の動きまで調べられるようになっていて、テレビや新聞の天気予報より格段の差で詳しい情報が得られます。

天気予報に依存しすぎない

現在の情報環境は登山者にとって、便利なことこの上ないといってよいでしょう。

しかし、天気予報は、必ず当たるとは限らないし、むしろ当たらないことの方が多いもの。

「晴れ」の予報を鵜呑みにして、雨具を持っていかず雨に降られ、大変な思いをすることもあります。

また、逆に「雨」の予報で山行を中止したが、現地は晴れていたということもあります。

天気予報はあくまでも参考程度にし、山行計画を立てるべきでしょう。

山では観天望気をもとに天気を判断しよう

天気予報は、刻々と変わる山の天気を判断するには、参考にはなるが現実的ではない。

山の天気は、もっとリアルタイムでなければならないからです。

午後に雷雲が発生すると天気予報で発表しても、午前中から雷雲が発生することは十分にありうるもの。

街で歩いているなら雷雲が発生しても慌てること無く避難できますが、山ではそんな悠長なことはしてられません。すぐに安全を確保しないと、雷に撃たれる可能性が大きいのです。

だから雷雲に遭遇しないためにも、雲や空の様子を見て、的確な判断を下し、危険から逃れることができるようにしたい。

その方法が観天望気です。

基本的には10種類の雲から判断ができるので、ぜひ覚えてほしい。

また、これは観天望気に付随するが、この現象があらわれると悪天候になるといわれているものを参考のためにいくつか紹介しよう。

①朝焼けは雨、夕焼けは晴れ。朝焼けするのは西の方面に雲があるため。

②レンズ雲が浮かぶと強風が吹き、やがて雨になります。

③太陽や月がカサをかぶると、やがて天気がくずれます。

④飛行機雲が消えずに残っていると、やがて天気がくずれます。

⑤山に雲がかかると、その日のうちに雨になります。

⑥遠くにある山が近くに見える時は雨になります。

⑦沢の水音が近くに聞こえた時は雨になります。

⑧星のまたたきが止まると天気がくずれます。

⑨夜中にやんだ雨はじきに降り出す。

⑩朝暖かいと雨になります。

山の天気を判断するのは経験がものをいう

冒頭でも書いていますが、天気を判断する上で貴重な情報源になってくれる山小屋の小屋番です。

小屋番に天気を聞くと、「山から谷へ風向きが変わったから晴れ」だとか、その逆に「烏が鳴かないから雨」と答えてくれます。

半信半疑ながら翌朝になると、これがあたっているから不思議です。

もっとも、ふだんから毎日の天気を記録し、それを年間ごとに比較するなどして、つねにデータを蓄積しているから当たるのです。

こういう人の協力を得て、安全な山行の一助にするのもひとつの手です。

天気を判断するいろいろな経験を種んでいくと、梅雨の晴れ間を完全に狙えたり、台風一過の後に登ってすばらしい眺望を得たりするのです。

そして、快晴率がアップして、ますます山が楽しくなります。

そのためには、普段から山の天気を読めるように努めることが必要です。

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