Tシャツ、靴下、吸汗速乾性をコントロールする登山用ウエアの選び方

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 春の日帰り低山歩きと夏の高山縦走を想定したウエア選びについて。
第一のポイントは素材選び。吸汗速乾性を備えたものであることは絶対条件であるが、さらに、その機能に頼りすぎることなく、重ね着でウエア内の湿気をうまくコントロールしていくことが必要です。

形の面でいうと、登山の動きを妨げないシルエットであることや、ベンチレーション機能があることも重要です。

基本的なこととして、どんなに高性能なウエアであれ、自分の登山にあったものでなければ、機能が足りなかったり、ときとして重装備になりすぎてしまう。

登山用具店でウエアを購入する際に、どんな山にいつ行くのか。
どんな形態の登山をやっているのか、やりたいのか。
なるべく具体的に話して、店員からアドバイスをもらうことが大切です。
話が具体的であればあるほど、店員さんが的確なウエアをおすすめしてくれます。

下着・Tシャツ頬吸汗速乾性素材が絶対条件形や着心地にも注目下着の選択は、快適な登山ができるかどうかのわかれ通。
いまや、登山専用の下着を身につけることは常識となっています。

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登山用の下着、Tシャツの選び方

下着を選ぶ際に、最初に注目すべきことは、その素材。

現在は吸汗速乾性のある化学繊維が主流で、繊維メーカーのみならず、アウトドアメーカーも独自の開発を続けています。

繊維の編み方による生地の構造上で吸汗速乾性を作り出しているものもあるが、繊維1本1本に吸汗速乾性をもたせるための加工をほどこしたものは、さらに強力です。
速やかに汗を吸い上げ、生地内に抜放させ、すばやく乾燥させることができるからです。

下着の素材というと、速乾性が重視されがちであるが、しっかりとした吸汗性がないと肌面に汗が残り、体が冷えてしまう。

また、近年、天然素材であるウールも再び注目されています。
化学繊維は汚れるとどうしても機能が落ちるが、ウールは汚れても機能への影響は少ない。
臭いがつきにくい点もありがたい。
メリノウールなどは、毛が長いためにチタチタすることもなく、洗濯機で洗っても縮むこともないので、従来のウールのイメージも変わってきています。

次に注目することは下着の形です。いちばん下に着るものだけに、体を過度に締めつけることなく、かつ過度にフィットし、登山中の動きを妨げないことが重要です。

いち押しのパンツは、ボクサータイプのもの。
ブリーフは、気づかないうちに脚の付け根への締めつけがあるという。
好みもあるが、トランクスは体にフィットしないのでスポーツ向きではない。

ボクサータイプは数センチであるが丈があるため、脚の付け根への締めつけがなく、疲れにくい。女性用もある。
お尻全体がつつまれるので、保温力も高い。
汗がたまりやすい尻部分をメッシュ地にしたものも、数種類ある。

 女性にとっては、ブラジャーの選択も重要です。

各社がさまざまなサイズを揃えています。メーカーによっては試着ができるものもあるので、自分に合ったサイズを選びたい。

肩ひもが細すぎると、ザックのショルダーベルトがあたって痛いので、適度な太さのものがよい。

肩ひものラインは、ずれにくく、腕の上げ下げに支障のないものを選ぼう。縫い目についても、各社工夫を凝らしています。肌にあたる部分に着用するので、縫い目が大きいと不快感があります。

普通のウエアのような盛り上がった縫い目ではなく、フラットに処理したものが適当です。
肩の縫い目はザックのショルダーベルトにあたらないようにずらしているものもある。
また、身ごろが筒状になっているものなど、縫い目が少ないものも、高いフィット感を得ることができる。

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登山用の靴下の選び方

ウールと化繊混紡のものが主流編み方や形状に注目気づかないまでも、靴の中はたくさんの汗をかいています。

靴下も吸汗速乾性にすぐれたものを選びたい。
ウールを中心に使った混紡のもの。靴下はとくに汚れやすい。
汚れても保温力や吸汗速乾性などの機能がおちないウールは、靴下向きの繊維です。

ウールといっても、ひと昔前のものとは、見た目もはき心地も大きく違う。

化学繊維と天然繊維からなる数種類の糸を使って立体構造的に編み上げているものが多い。
このようなタイプの靴下には、充分な厚みがあり、糸と糸の間の層を日で見ることもできる。
この層を通って、湿気が外に放出されるのです。

しっかりと足をサポートし、靴の中でずれることなくフィットすることも重要です。
足の形状にそった立体裁断の靴下が主流です。
左右非対称の靴下もいくつかある。

部分によって編み方を変えている靴下も多い。
底部分は厚めにして、衝撃を吸収できるようにしています。
足首部分は薄くすることにより、靴内の温度上昇をやわらげています。
縫い目を、親指つけ根など、靴にあたりやすい部分からずらしているものもある。

編み方や形状によって、足への負担は大きく変わる。
しっかりと足をサポートすることは疲れを軽減するし、足にフィットすることによって靴ずれを防ぐ。

登山用のズボンは脚の動きを妨げないストレッチタイプがおすすめ

登山中、脚は上下に絶え間なく動かします。
脚に引っかかるズボンは、不快であるばかりでなく疲労を助長させます。
だから素材と形の両面をチェックして、動きを妨げないズボンを選ぼう。

素材面では、ストレッチ性のあるものが多数販売されています。

大きくわけると2種類あります。
ワンウェイ・ストレッチは、縦方向もしくは横方向のいずれかに伸びるものです。
ツーウェイ・ストレッチは、縦横両方向に伸びるため、より激しい動きに対応します。

ツーウェイは重量があるので、全体をワンウェイにして、ヒザ部分など激しく動く部位にのみツーウェイを使用しているものもある。ヒザ部分に縦、尻部分に横のワンウェイを使用しているズボンもある。

また、ズボンもほかのウエア同様、吸汗速乾性のある素材であることも大切です。
さらには、小雨であればはじいてくれる程度の撥水性も、ズボンには必要です。

綿入り混紡のズボンは独特の風合いがあり肌ざわりもよいが、ストレッチ性に欠けるものもある。
この場合は、ゆったりとしたシルエットのものを選ぼう。
ヒザや腰まわりにタックが入り立体裁断になっているものもよい。

夏の高山縦走向けに選ぶなら、サポートカのあるスポーツ用のタイツと短パンの組み合わせ。
このタイプのタイツには、登山に重要な太ももやふくらはぎなどの筋肉を支えるサポーターが組み込まれています。
股関節やヒザ関節を安定させることによって、ケガや故障を防ぎ、筋肉をサポートして筋肉痛を軽減させる働きがあります。

登山者にはヒザ病もちの人が多いが、サポートカのあるタイツはヒザ周りの靭帯を内側と外側から支えてくれるため、安心して脚の曲げ伸ばしができ、ヒザへの負担も減る。

速乾性のある素材を使用しているものや、表面のすべりがよく、重ね着をしても疲れないタイプのものを選びたい。

登山用の中間着の選び方

衣輝内の湿気コントロールと保温の役目を担う中間着の主な役目は、体を温めること。
朝夕や悪天時には、体が冷える前に着ることにより、体力消耗を防ぐことができる。
選ぶときのポイントは素材と形。

中間昔も吸汗速乾性のある化学繊維が主流です。
薄手のフリースは、コンパクトながら保温力があり、春の低山や夏の高山での使用に適しています。
しかし、全身を化学繊維でおおうと、ウエア内に湿気がたまってしまうこともある。

たとえば、下着も中間着もすべて化学繊維のものを着て、雨具やウインドブレーカーなどのアウターを着て歩いた場合。
アウターに透湿性があっても、湿気を一度に放出するには限界があるために、アウターの内側にしずくができたり、下着や中間着が湿ったままなかなか乾かない。

これを防ぐには、ウールなどの天然素材が入ったものを重ね着して、いっときの間、繊維内に湿気をためておくとよい。
あるいは、速乾性だけではなく、すぐれた吸汗性も備えた化学繊維を着るのもよい。
これによって、アウターの限界を超えることなく、時間差をつくりながら湿気を放出していくことが可能となる。

ひとつひとつの素材には、吸汗性、速乾性、透湿性などの機能があり、理論上では汗は外に放出される仕組みになっていても、それぞれの機能には限界もある。
重ね着の工夫によって、これを克服しよう。

では、中間着はどのような形のものを選べばよいだろうか。

動きを妨げないように適度にゆとりあるシルエットのもの、重ね着をしやすいように、だぶつかず表面が滑らかなものです。
首を保護し、日焼けを防ぐために、えりつきのものが好ましい。
カッターシャツや、ラガーシャツタイプのもの、ハイネックのものがよいでしょう。

ベンチレーション機能も重要です。
ぬぐと寒いけれど、中間着で行動していると汗ばんでくるということは、だれにでも経験があるでしょう。
カッターシャツやラガーシャツであれば、ボタンの開聞で温度調節ができる。
ハイネックのものは、カーディガン型とプルオーバー型があります。
プルオーバー型の場合、なるべくファスナーが大きく開くもののほうが、温度調節がしやすい。袖先がきつくなく、腕まくりがしやすいかどうかも、チェックしてみよう。 

アウターは繊維一本一本に防風・撥水加工した素材がおすすめ

無雪期登山のアウターといえば、これまでは雨具が主流であった。
ウインドブレーカーとしても併用できるため、雨具以外のアウターを持っていくことは荷物が増えるばかり、と思われる傾向が強かった。

しかし、最近のアウターは高性能になり、ウインドブレーカーとして快適に使えるようになったばかりか、多少の雨ならしのげるし、中間着的にも使用できるようになってきた。

そこで、雨具以外のアウターの積極的利用について。まずは表面の素材加工から注目してみよう。代表格は、繊維の一本一本に防風性と撥水性を備えた化学加工をしてあるもの。
すぐれた撥水性、透湿性、防寒性、速乾性の機能を備えています。

洗濯をくりかえしても初期レベルの拍水性を維持し、小雨や短時間の雨であれば充分に防ぐことができる。
透湿性は、平均的な雨具以上にすぐれているため、汗をすばやく外に放出してくれるので快適です。

裏面は、全体もしくは部分的にメッシュをほどこしたものが一般的です。
メッシュ加工されていたほうが、アウターが素肌にからむこともなく動きやすい。

しかし、全体がメッシュだと重量と容量が増す。
背中や脇の下など汗をかきやすい部分にのみメッシュをほどこしたものは、軽量でコンパクトであるために持ち運びに便利です。
メッシュの素材そのものも吸汗速乾性あるものを選ぼう。 

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春の山は低山であっても、冷たい風が吹く。

コンパクトなアウターを一着持っていけば、雨が降っていないときに、わざわざ雨具を着る必要もない。
また、注目されているのが、裏面全体にトリコットという薄手のフリース状のものをほどこしたタイプです。これは、保温性が高く防寒着としての役割が大きい。

春の低山よりもさらに防寒対策が重要となってくる夏の高山では、このタイプのアウターがおすすめです。稜線で風に吹かれて体感温度が下がったときや早朝に行動を開始するときが、このアウターの出番です。また、3000m級の山中でクライミングをする場合にも役立ちそうです。
ビレイ中の体を冷えや風から守ってくれます。登りはじめて体が温まってきたら、ファスナーを開ければよい。

シルエットは、大別すると2種類になります。
ひとつはゆったりしたもの。ハイキングや山歩きに過しています。
もうひとつは、シェイプされたシルエットのものです。
体にフィットしているために、歩行中に岩や樹木などに引っかかることもなく安全です。

このようなタイプのアウターのなかには、サイクリングやランニングなどのシーンを想定して作られたものもある。
細身にできていて温度調節もしやすいため、クライミングや全山にも過しています。
いくつものパターンを縫い合わせて、激しい動きにも対応するシルエットを作り出しているものや、脇の下のファスナーの開聞で温度調節ができるものがおすすめです。

登山用ファッションの小物頬

帽子類やグローブも重要な脇役帽子は登山に欠かせないもので、春の低山では日よけと防寒の両方の役割を果たしてくれます。

夏の高山では、日よけとしてなくてはならないものとなります。
メッシュ地の帽子は涼しく、汗も放出しやすいので夏向きです。
つばの大きいものであれば、より日焼けを防いでくれます。
後頭部にたれ布がつき、襟あしの日焼けを防ぐものもある。

手袋は、防寒とストックを持った手の衝撃吸収の役目を果たす。
とくに雨のなかでは、ストックを持ったり、岩稜のハシゴや鉄をつかむ手は、思いのほか冷えてくる。
手のひら部分が滑りにくい加工がされているものがよい。
素材にネオプレーンなどを使った伸縮性のあるものが使いやすい。

以上、Tシャツ、靴下、吸汗速乾性をコントロールする登山用ウエアの選び方を参考にして快適な山登りを楽しんでください。

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