雪崩ビーコンの使い方。雪崩捜索の手順

冬山を登るために身につけておきたい雪崩対策の知識と、万一の場合にどのような行動をとればいいか?

雪崩は雪の斜面、があればどこでも起きる可能性があり、そこに人がいれば事故となる。毎年、雪山ではそんな雪崩事故があとを絶たない。

それぞれの事故を分析してみると、自然の猛威として防ぐのが困嫌だったものから、しっかりとした装備や知識、判断力があれば回避、もしくは生還できたかもしれない事例までさまざまです。

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●雪崩発生時の初期動作

<雪崩が発生した場合>

まずは地形的に安全な場所に移動し、自分のパーティの点呼をし、被害の状況を確認する。

その時点で全貝が揃っていなくても、難を逃れている場合があるので、避難前の仲間同士やほかのパーティとの位置関係などを思い出しながら、あせらずに周囲を確認する。
目撃者がいる場合はその証言そしっかりと聞こう。

<遭難者がいることが決定的な場合>

雪崩れた斜面を目視で捜索。
デブリ(斜面が雪崩れた跡)の中から遭難者の体や装備の一部が出ている場合もあるので、よく確認する。

また、第二の雪崩が発生しないとは限らないので、雪崩の発生面の状況をよく確認しよう。
発生面が斜面の中間で上部に雪が残っている場合や、複数の沢筋の合流地点など、雪崩の巣となりそうな場所はとくに注意。
なるべく見張り役をおくこと。

雪崩現場はたいてい山奥。
助けを呼びに行く聞に雪に埋もれた仲間は窒息死してしまう。
よほどすぐ近くに人がいない限りはすぐに助けを呼びに行くことはせず、まずは捜索に全力を尽くすべきです。

●雪崩ビーコンサーチ

雪崩埋没者のいることが確定的となれば、ここからは時間との勝負。
いっさいの無駄は許されない。通常却分もたつと死者が出始める。

以下、ビーコンサーチの手順を説明する。操作方法については各モデルで異なるので省略するが、自分の、ビーコンを入手したら必ず操作方法を複数回練習しておくように!

●手順1 無事だった者全員のビーコンを捜索(電波受信)モードに切り替える。

ひとりでもこれを忘れると正確な捜索の妨げとなります。
なお、デジタル式ビーコンは、捜索中の二次遭難を防ぐために一定時間ことにサーチモードから発信モ!ドに自動的に切り替わる機能を備えています。
しかし、切り替わったことに気づかないと、これも捜索の妨げとなるので注意したい。

●手順2 見張り役をひとり安全地帯に残し、ビーコン捜索に慣れている人が捜索にあたる。

捜索時でも雪崩に巻き込まれる可能性があるのでビーコンが体から離れないようにリーシュコード(細引き)などをつけておく。

見張り役は、現場から目を離さないようにしながら、遭難地点(現在位置)や被害状況の把握に努め、無線や携帯意話が通じるようならば、救助要請を行なう。
通報終了後はシャベルやプローブの組み立てなど、ビーコンでの位置特定後の捜索準備をしておく。
万が一、次の雪崩が起きた場合は、ホイッスルや大声で即座に知らせる。

●手順3 ビーコン探索でおおよその位置特定ができたら、プロービングでさらに細かな位置を採る。

最新のデジタルビーコンは数十センチ単位で発信源の距離を探知できるが、それでも最後はプローブで埋没者の位置を特定できたほうが雪を掻き出す量も最小限で済む。埋没者にヒットしたプローブは目印としてそのままにしておく。
もし、ビーコンを装備しない遭難者を控索する場合はこのプ口ービングのみの捜索となり、時聞がかかるために発見されても生存率はかなり低くなる。
※(プローブ【probe】とは。
登山、トレッキングに携行する道具で、雪崩などで遭難した際、埋まった人間の場所を特定するため積雪の下を捜索するのに用いる。継ぎ手式のアルミパイプをつないで2~3mとし、雪下を刺して感触を探る。「ゾンデ棒」ともいう。)

埋没者を一刻も早く呼吸させるために、目印に残したプローブのまわりを全力で掘り進める。

埋没者はどのような体勢で埋まっているかわからないので、プローブの先端部が近づいたら、シャベルで傷つけないように慎重に掘る。

埋没者が複数いる場合、救出した人のビーコンを送信から受信モードに切り替えるか、安全を確保したうえで電源をオフにする。これは、そのほかの埋没者の捜索に移ったとき、発見済みの送信電波に邪魔されないようにするためだ。

遭難者の顔、が現われたら、そのままで呼吸ができるとは限らない。
口や鼻の中に雪が入り込んでいる可能性、があるので、呼吸を確認し、気道確保する。

また、雪崩事故の場合、避難者は雪に埋まって窒息する以外に、流された雪ごと木や岩に激突して大グガを負ってしまうことが多い(雪崩のスピードは時に時速70~100km以上に達することがある)。

掘り出された埋没者に意識があり、自力呼吸できていれば、次の埋没者の捜索にうつる。少々のケガの手当ては後回しでもよい。

埋没時聞が長く、低体温に陥っている場合は防寒着を着せ、使い捨てカイロなどがあれば脇下などにあてがって保温する。出血がひどい場合は止血を行なう。

呼吸がない場合は、人工呼吸や心臓マッサージなどの蘇生手当てが必要になる。消防署や日本赤十字社などの応急手当て講習を受講しておいたほうがよい。

●雪崩埋没時の時間経過と生存率

<雪崩停止直前>
死にもの狂いでもがき、泳ぎつづけ、顔面を手でおおいエアポケットをつくる努力をする
 ↓
<雪崩停止>
身体が完全に埋没した状態ではまったく身動きか取れない
 ↓
<4分後>
エアポケットが作れなかった場合、口の周りにたまった二酸化炭素を吸い込み意識を失う
 ↓
<15分後>
ほとんどの生存者は意識を失っており、なかには脳障害を負う者もいる
 ↓
<25分後>
完全埋没した遭難者の5%が死亡
 ↓
<35分後>
完全埋没した遭難者の75%が死亡。これ以降の生存にはエアポケットが必要
 ↓
<90分後>
遭難者の80%以上が死亡
 ↓
<130分後>
遭難者のほとんどが死亡。この時間を超えての生存は空気のぬけ穴がなければ不可能

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