もしも登山中に病気になってしまったらどうする?

登山中はつい頂上に向かうことばかりに意識がいくので、自分の体調の変化に気づきにくいことがあります。
最初は些細な変化でも、やがて症状が重くなってきて動けなくなると大変です。
登山中の病気としては、低体温症や、高体温症、そして富士山など高い山で起きやすい高山病などがあります。
もし、登山中にこれらの症状が現れても、冷静に対処できるように知識を頭に入れておきましょう。

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低体温症

体温症は、熱産生と放熱のバランスが崩れ身体の内部温度が35℃以下に下がることによって起こる全身疾患である。
寒い冬よりも春や秋の山行で、雨にうたれ、風に吹かれて、体温が急激に低下し、凍死するケースが多い。
低体温症になると判断力は低下し、運動失調を起こす。低体温症の予防は、雨・風から身を守るための装備(衣類、雨具、ツエルトなどて体内で熱を発生するようにする元になる食事・水分の補給が基本となる。
高齢者は温度の変化に対する感覚、が鈍く、熱を生み出す機能も低下しているので注意したい。
眠眠薬や抗うつ剤を長期間服用している人は体温調節機能が損なわれており、低体温症になりやすい。

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●低体温症の対処法

正常な判断力が低下する前、つまり寒さによる身震いが始まった時点で対処することが重要だ。
雨や風から身を守るために岩陰、雪洞、ツエルトなどに避難し、ねれた服を着替え、体温の低下を防ごう。
温かい欽み物も効果的だ。ただし、アルコールは一時的に体が暖まるが、血管を拡張させ、結果的に熱を体外に逃がしてしまうので逆効巣だ。

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熱中症

体温が上昇することによって起こる疾患を総称して高体温疾患という。
高体温疾患は、太ももや下肢の筋肉に強いけいれんが起こる軽症の熱けいれん、熱けいれんよりも進んで全身に症状が及ぶ中等症の熱疲労、錯乱症状・めまい・吐き気・意識混濁などが起こり、命にかかわる重症の熱中症の3つに分類できる。
高温多湿の日本の夏は熱中症を起こしやすい環境である。
山行中は休息を充分にとり、適切な水分・塩分補給を心がけよう。
また、以前に熱中症になった人、運動不足の人、肥満気味の人、高齢者、2歳以下の幼児は熱中症になるリスクが高いので注意したい。

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●高体温疾患の応急処置

熱けいれんの場合は、涼しい場所で休息をとり、水分・塩分の補給としてスポーツドリンクなどの飲料水を飲むとよい。
重症化した熱波労や熱中症の場合、一刻を争って体温を下げる必要がある。日陰の涼しい場所に寝かせ、ねるめの水で着ているシャツを湿らせ、気化熱を利用し、シートや衣服などで凌ぐ。頚動脈、わきの下、鼠径部など大きな血管が通っているところを冷たいタオルなどで冷やすのも効果的だ。

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高山病

高山病とは、2000M以上(高齢者は1500M以上)の高所での低酸素による身体症状の総称である。比較的軽症の山酔い(AMS)と、ほとんどかかることはないが、命にかかわる重症の高所肺水腫(HAPE)、高所脳浮腫(HACE) の3つの症状、がある。
高山病の予防が必要な場合には、ダイアモックスの服用が効巣的だ(要処方箋)。入山前日から1日目、2日目、3日目の4日間、125ミリグラム(半錠)を1日2回服用する。長期山行では高山病の経過判定表を活用したい。

●高山病の対処法

軽症の山酔いは安静にして頭痛薬を服用する。中等~重症の場合は低地へ移動し、治療薬としてダイアモックス250ミリグラム(1錠)を、1日2回服用する。オーツー・フォレストなどの携帯酸素吸入時も効果がある。
高所肺水腫や高所脳浮腫の場合、低地への移動、酸素吸入、アダラート(高所肺水腫)やプレドニン(高所脳浮腫)などの薬の服用、が応急処置となるが、一刻も早く下山し、医療機関で治療をする必要がある。

脳卒中と心筋梗塞

中高年登山者が山で突然死する事故のほとんどは脳卒中や心筋梗塞によるものと推定される。
日ごろから生前改善を行ない、山行前に脳と心臓の検査を受けておこう。

●生活改善

カロリー過剰の食事や運動不足による肥満は、3つの生活習慣病、高血圧、高脂血症・糖尿病の大きなリスクファクターとなっており、これら3つの生活習慣病と喫煙は動脈硬化を進行させ、脳卒中や心筋梗塞を引き起こすリスクを増大させる。
したがって、脳卒中や心筋梗塞を防ぐためには、日ごろから生前習慣病をきちんと予防・治療することが大切だ。

●脳と心臓の検査

最近では、CTやMRーなどの医療機器がデジタルカメラのように高性能化している。
脳の検査では、早期の脳梗塞は原則としてMRIを使用し、脳出血を診断する場合は、出血の識別、が容易なCT検査を行なう。
心臓は64チャンネルCT検査、24時間ホルター心電図による検査を受けておくとよい。ホルター心電図は24時間の計測によって不整脈などのチェックができる。

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