登山用のレインウエアの選び方

レインウエアの選び方

レインウエアのイメージというと、肌にべたべたくっついて、中で蒸れやすくて気持ちが悪いというもの。

特に欧米諸国に比べて多雨多湿な日本では、レインウエアはかなり重要な登山用品です。

道幅が広く平坦な登山道なら傘をさしながら歩けますが、通常の登山道ではそうは行きません。

登山道が雨で濡れていると滑りやすく、怪我をしやすい状況にあるので常に両手をあけておく必要があるからです。

だから、傘ではなくてレインウエアが必要になるのです。

登山用のレインウエアは、先述したようなべたべたするという不快なものではなく、近年では新しい素材が開発されて、雨の山歩きもとても快適なものになりました。

高機能になった分、価格もそれなりにするので、比較的大きな買い物といえるだろう。

そのレインウエアの基本的な構造や多彩になってきた素材の話、そして選び方からアフターケアまでを調べてみました。

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ゴアテックスなど多層構造を活かした雨具の防水性

 表地で水をはじき、裏地は水分蒸発を促す表地が水を弾かなくなり、裏地も濡れるようになると「この雨具は水を通すようになった」と思う人がいますが、これは雨具の生地の構造を理解していないために起こる誤解です。

雨具の多くは、防水素材を表地と裏地ではさんだ3層構造の2レイヤーと、裏地のない2層構造の2レイヤーがあり、現在のところは3レイヤーが主流です。

それぞれの層の特徴を見ていくと、表地は多くの場合ナイロンが使われ、格子模様のついたリップストップと無地のタフタの2種類があります。リップストップは、生地を強くするために芯材のように格子状に太い糸を入れたものですが、タフタも強くなっているので、どちらがよいか一概には言えない。同じ強さの生地で比べた場合、リップストップの方がやや硬い感じがします。

ナイロン糸の太さを表すのにはD(デニール)という単位が使われており、ほとんどの雨具の表地は30から70Dの範囲です。

表地には撥水加工がほどこされています。
『防水』ではなく、あくまで表面張力で水をはじく『撥水』です。

その表地に中間層である透湿・防水素材をくっつけるのだが、その付け方にはフィルム状の素材を貼り付けるラミネートと素材を塗布して膜を作るコーティングというふたとおりがあります。

現在では、ラミネートが主流で、ゴアテックスやディアプレックスなどがこれにあたる。
ラミネートは、多孔質のフィルムと無礼質のものにわかれています。

多孔質のものは、ゴアテックスに代表され、フィルムに水滴より小さく、水蒸気より大きい無数の穴をもつもので、この穴を通して湿気が外に排出されます。

一方、無孔質ものは、フィルムの分子運動の変化を利用して湿気を外に出すもので、ディアプレックスやダーミザクスなど、各社からさまざまな素材が出てきています。

コーティングのものは、どちらかというと安価で軽量・コンパクトなものが多く、耐水圧、透湿性が、ラミネートのものより劣るものが多い。

裏地は、中間層を保護するためのものであるとともに、表地とは逆に撥水加工をせずに水分を集めて蒸発を助ける役割をするナイロン・トリコットという素材が多く使われています。2レイヤーは、裏地で保護をしなくてもよい工夫をするなどして、これを省いたものです。

このように構造を知ると、「表も裏も濡れている」という状態は、水が通ったのではなく、表面に水の膜ができたことによって中の蒸気が出ていかず、内側が汗で濡れているということだとわかる。つまり、ここでなすべきことは、表地に撥水加工を再度施すことであって、雨具を買い替えることではないのです。

ゴアテックス以外のレインウエアの新素材の注目点

ダーミザックス、ディアプレックスなど、どのような素材のものを選ぶか。
やはりゴアテックスのものが主流ではあるが、最近は透湿・防水の新素材が続々と登場している。

ゴアテックスは、耐水性、透湿性を毎年高め、比較的弱いとされてきた撥水効果の持続性も大幅に高め続けています。

しかしラミネートの透湿性防水素材を使った雨具は、どれも高価で、コンパクトになったとはいえ、まだまだかさばるものも多い。

ただし用途によってはさまざまなタイプがあるから、使い分けることも可能です。

たとえば、一回きりしか使わないとか、学生さんで予算がすでに決まっているという人には、ハイバロンなどの簾価タイプのものがあります。これでも防水はできますし、透湿性に劣る点は、雨やどりできる場所でボタンをはずして換気するとかいった使い方の工夫で快適にできる部分もあります。

今やレインウエアはメーカーが独自に開発したものを含めて多くの素材があり、商品の幅がひろまったことで、商品選びがむずかしくなったともいえるが、お店の人にじっくり相談することで、自分にあった雨具をみつけよう。

選ぶなら体型に合った使い勝手のよいものを

フードから胸ポケット、パンツの裾までさて、いよいよ商品を選ぶ段階でもレインウエアには選び方があります。

たとえば、同じゴアテックスで比べてもずいぶんと価格に差があります。

ゴアテックスの場合、フィルムとナイロンを貼り合わせるところまでジャパンゴアテックス社がやっているので、防水性・透湿性はもちろん、撥水加工も基本的には差がないと考えていいと思います。

値段の差は、縫製が難しいからとか、付属の機能が多いからとか、ブランド品だから、というのが埋由です。

それよりも選ぶうえで最も大切なことは、自分の体に合うことです。

サイズは同じでもメーカーによって微妙に形は違うので、いろいろ試したほうがいい。

自分の体型に合ったものとは、上着はフリース程度のものを着ても充分余裕があり、パンツは両脇を同時につまめるくらいが目安。

横幅ゆったりタイプの製品を出しているメーカーもあります。

袖の長さは、腕を下に垂らして掌が隠れて指先が出るくらい、足は裸足で立って床に着く程度の長さが適当です。

他に生地の厚さや重量、デザインなどはもちろんとして、それ以外の細かいチェックポイントに関して、フードは収納できるタイプとボタンで取り外すタイプがあり、後者にはマスクのように貼り合わせができるタイプもある。

フードの深さ調整もマジックテープとゴムひもの2方式がありますが使いやすさでは、マジックテープに分があるように思いますが、ゴムひもは横方向の調整もできます。

ひさしの中に芯が入っているのは、機能的にはすぐれていますが、収納した時に少し襟がごわごわします。

上着のポケットは、まず胸か腰か

ザックのウエストベルトをしても使いやすいように胸にあるものが多いが、腰のポケットにも利点はあります。

ポケットの位置は生地が二重になるので、ウエストベルトですれても防水効果が落ちにくい。

胸ポケットの場合、出入口の方向をチェックしよう。

手を入れるのが外側からか内側からか。内側なら逆の手で入れることになるので同時に両手は入れられない。

上着の後ろの丈もメーカーによって違っています

自転車に乗る人などは長い方が使いやすいが、短いものでも、前屈みになってパンツより上になることはまずない。

前開きの部分は、ほとんどのものがフラップ2枚でファスナーをおおって、最初のフラップを折り返して流れ込んできた水を跳ね返す構造になっているが、それを最終的に止めるのにマジックテープかボタンかという選択があります。

パンツに関してのポイントは、裾を絞るためのゴムひもにストッパーが付いているかいないか

ストッパーがあれば一発で調整ができ、一見こちらが格段に便利に思えます。

しかし、ゴムひもだけのものは、靴ひものように結ばなくても、それぞれに結び目を作るだけで緩みません。

こうすれば脱ぐときにもファスナーを開きそのまま脱げるので、靴が同じなら毎回調整し直す必要がないです。

ズボンの着脱に関しては、ビニール袋を靴にかぶせて足首でくくれば、靴を脱がなくとも雨具を汚さないというテクニックもある。

雨具を選ぶポイントで個人的に思うことは、ゴアテックスであれば透混・防水の性能に差はありません。

価格的には比較的抑えつつ、付属の機能は充実しているものがあります。

たとえば、上下どちらからも開けられる上着のファスナー、上着の裾を絞るゴムひもをマジックテープで固定できる仕組み、パンツの前ポケットがスルーになっていてズボンのポケットをさぐれる仕組みなど、なかなか工夫がみられるゴアテックス素材のものが出ています。

レインウエアのメンテナンスは防水スプレーで素材の劣化をカバー

忘れてはならない雨具のアフターケアについて、どの素材でも使わないときはハンガーにかけてほしい。

畳んでいると湿気がこもるし、折り目がつけばものに当たったときに、その部分が傷みます。

洗い方に関してメーカーは洗濯機で洗えるといいますが、長持ちさせるためには手洗いが最もいい方法です。

水かぬるま湯のシャワーをかけて手でぬぐ泥汚れなどを拭う感じで。

してはいけないのが、もみ洗いにブラシ掛け、それから脱水機にかけること。

中性洗剤は使えますが、よくすすいでほしい。干すときは陰干しです。

表地が水をはじかなくなったらフッ素系の防水スプレー(原埋は「防水」というより「撥水」だが)をかける。これは撥水効果を復活させて透湿性を維持するため。

スプレーで透湿性はやや落ちてしまいますが、全体に濡れて水の膜ができた状態では通常の3分の1の透湿性しか発揮できないというデータもありますので、それに比べればはるかにましです。

スプレーは必ず屋外で、一本使いきるくらい充分かけること。

収納時のたたみ方は、パンツを4分の1の長さに折ったものと、上着を肩幅に合わせて折ったものが同じ幅なので、それで巻いていくとよい。

ただ、同じ折り目で毎回折っていると傷むので、たとえば、山で折るときと家で折るときで折り方を変えるなどの工夫は必要。

登山用具全般においていえることだが、レインウエアは特に素材・形状などその進化の速度が速い。

毎年購入するものではないので、登山者としては常にその流れについていかなければならないわけではないが、買い替えるときにはその時点での情勢を分析し、自分にとってベストの選択をしたいものです。

以上、これで登山用のレインウエアの選び方をご理解いただけたでしょうか。

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