登山中のケガ、その予防と対策

日常どれだけ身体のケアをし、健康への自己管理をしていても登山中には、何が起きるかわからない。もし登山中にケガをしたらどうしよう?
下界にいれば大したことがなくても、自然の中では死や遭難につながる危険があります。
できれば簡単な救急処置の知識を身につけて、登山中のケガの予防と対策をしっかりとしておきたい。

登山中のケガ

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手首と足首の骨折

登山中に起こる骨折でもっとも多いのは、転倒時の手首と足首の骨折です。
とくに中高年登山者は、筋力、バランス保持能力、反射神経などが低下しているために転びやすい。下りの斜面やスリップしやすい場所では転倒に充分気をつけよう。
また、中高年は骨粗しょう症によって骨がもろくなりがちなため、骨折しやすい。日ごろからカルシウムやビタミンDを摂取し、骨に負荷をかける運動を行ない、骨粗怒症を予防しておくことが大切です。

●手首の骨折の応急処置

転倒による手首の骨折は、その8割が、とう骨の骨折であり、手首がフォークのような形状に変形するのが特徴。
応急処置は整復(骨を元の位置に戻す)と固定(整復したものをずれないようにする)を行なう。
整復の前に痛み止めを服用しておこう。ロキソニンなどの鎮痛剤は噛み砕いて飲むと早く効く。

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強く引っ強りながら整復すると、骨折した骨の断片で血管や神経を傷つけるリスクが減る。
固定にはファーストエイド用の携帯副木が便利だが、維誌や新聞紙などで代用してもよい。
絆創膏や包帯などでしっかりと固定し、三角巾やパンダナを使って首から腕を吊しておこう。固定はきつめがよいが、血液の循環がわるくならないように、30分に一度はうっ血していないかチェックしたい。また可能であれば、患部を冷たい水や、ビニール袋に入れた雪などで冷やしておくことが望ましい。

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●足首の骨折の応急処置

転倒時の足首の骨折は、足関節の内返しによって起こる内反の骨折、がほとんどです。
内反によって足関節に力が加わると、脱臼して腔骨と聞骨を骨折することが多い。

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応急処置は、手首の骨折と同様に整復と固定を行なう。
血管や神経を骨の断片で傷つけないように、強く引っ張りながら整復する。

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脱臼している場合は、整復することによって関節が元の位置に収まり、立って荷重をかけることができるので、ストックなどを使って自力で下山が可能である。だが関節面を骨折した場合には、荷重をかけられない。

ねんざ

山中のねんざでもっとも頻度が高いのは、足関節の内返しによって起こる足首の内反ねんざ。

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おもに足の外側にある靱帯(じんたい)を損傷する。ねんざを予防するためには、くるぶしまでしっかりと包み込む登山靴の着用、入山前の下肢の筋肉のストレッチ、下り斜面やぬかるんだ道でのバランス保持が重要です。

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●ねんざの応急処置

冷却パックやビニール袋に入れた雪をタオルで包み、圧迫も兼ねて忠部に当て、最低30分間冷やす。
30分経過した時点で激しい痛みや腫れがあれば、骨折が強く疑われます。

骨折とねんざの見分け方は、
①変形しているか、
②痛みがあるか、
③腫れがあるか、
④不向然(不安定)な動きがあるか、
⑤紫色の皮下出血があるかをチエツクする。
以上に当てはまれば、ねんざではなく骨折であると判断できる。
ねんざの場合、足関節の可動範聞を制限して安定させるために、テーピングで患部を固定する。この時に血液の循環障害を防ぐために、ねんざによる腫れを逃がすスペースとして足前の前面は必ずあけておこう。

凍傷

傷とは、強度の低温により血行障害を起こし、組織が凍結、して傷ん持されることをいう。凍傷になりやすい部位は、心臓から離れ血流が低下しやすい手の指、起の指、必、耳である。凍傷の症状は3段階に分類できる。
凍傷予防には、乾いた衣服による防寒・防風はもちろん、体内で熱を生む元になる食事・水分の補給も重要だ。また、ビバーク時には体力を消耗しない程度にときどき手足を動かして、血液の循環を促進するとよい。

●凍傷の応急処置

軽症の場合、40℃前後のお湯で患部を温める。その際、アスピリンなどを持っていれば、服用することによって血栓予防の治療効果、がある程度期待できる。

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また、動脈の血流はすぐに回復するが、静脈の血流はなかなか回復しない。そこで、手や足の甲の静脈を体の中心部に向かってマッサージすると血流が回復しやすい。
いち度解凍した部位は組織がもろくなっており、再び凍結すると損傷がひどくなるので、重度の凍傷の場合、すぐに下山できなければ、山中で解凍しないほうがいい。

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