バテずに歩く方法は体力を自覚し、体力に応じたペース配分を工夫する歩き方

大学時代は山岳部でならしていたというY氏(37歳)はバリバリの企業戦士でしたが、就職してからは山とも離れ、せいぜい年に数回、それも近郊の低山を歩く程度。

最近の登山ブームや山ガールの登場で若者が山に戻りだして来た現象を知り、再び山に登りたくなったそうです。
「登りがいのある山へ行きたい」。その思いを抑えきれなくなった彼は、夏休みを利用してひとりで南アルプスの白峰三山へと向かいました。

久しぶりの山行

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思い込みが判断を鈍らせる。
それは地上の計画段階から始まっています!

学生時代のように重いザックを背負っての久しぶりの山行でしたが、何回も来たことがあるところだったので、不安は感じることもなく、かつて感激した北岳からの大展望を、再び見られる喜びでいっぱいだったそうです。

歩き始めてしばらくすると、それが甘い考えであったことに気付かされました。
山の上り道を歩いているうちに、息が荒くなり心臓がバクバクとしてきました。
何度か小休止をとってみたものの、登り始めるとすぐに心臓が苦しくなります。

ようやく急登が終わって白根御池小屋に着いたときには、そうとうバテていました。

30分ほど休み、草スベリの急登を再び登りだしたが、すぐに息は荒くなり、胸が締めつけられるように苦しくなってきます。
やがて、数歩歩いては、立ち止まって休むことの繰り返し。

Y氏も自分が知らぬ間に、体力が落ちていることをつくづく痛感させられたそうです。
考えてみればそれも無理もありません。

思えば若い頃はもちろん基礎体力はありましたが、日々トレーニングを欠かさなかった。
しかし今は普段トレーニングらしいことをすることもなく、若いころのイメージを勝手に思い込んで登り始めたのですから、バテるのはあたりまえです。

体力は年をとるとともに衰えるものです。
とくに山登りに必要な全身持久力が衰えたままで山へ行くと、必ずスタミナ切れを起こしてパテてしまいます。

また、たとえ全身持久力がある人でも、スケジュールがハードだったり、ザックが極端に重かったりすれば、やはりスタミナが切れてパテてしまうのです。

体の不調は決定的なパテを招く

体の不調は、即、山登りに響いてきます。
ある人は、春の八ガ岳を縦走中に風邪をひいてしまい、さらに寝ているときに腹を冷やしてしまったらしく下痢を併発、食事もノドを通らない。

まとまった休みが取りにくいサラリーマンハイカーなら、誰でも考えることですが、「せっかく休暇をとって来たのだから」と、硫黄岳山荘を出発、この日の宿泊地、高見石小屋へと向かわれたそうです。

ところが頭はボーッとしているし、足元もフラフラしておぼつかない始末。早くも硫黄岳の山頂でパテてしまった。
「これはとてもじゃないが無理だ」と悟った彼は、計画を断念し、フラつく足どりでなんとかその日のうちに茅野へ下りたという。

普段、地上で生活していても風邪をひくと熱も出るし、体がだるくなります。
風邪が治ったとしても、その直後は体力が回復をしていません。
そんな状態で山を歩くなんて無謀な行いです。
もし、何人かの仲間で歩いているとすれば、仲間に迷惑をかけることになります。

そして下痢をしているときは食事をとったとしても、エネルギー源となる要素が吸収されるはずはなく、すぐにバテてしまいます。
もしそのまま山を歩き続ければ、取り返しのつかない事故になることもあります。

山登りを計画したときは、日ごろから健康に気を配り、服装や食事に注意するとともに、ちょっとやそっとの病気には負けないような強い体を作ることが必要です。
だから病気ではなくても、不規則な生活を続けていたり、仕事の疲れが残ったままの状態で山歩きは危険です。
体の不調や蓄積された疲労は、高山病や疲労凍死の原因となることだってあるからです。

山でパテるのがイヤなら、まず日常生活を規則正しく過ごすこと。
そして、ベストコンディションで山行に臨むようにしたいものです。

●ハイキングでは、誰でもパテる。
 大事に至らないように早めの休息とエネルギー補給が鉄則!

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